第188話 ページ45
「ねえあんた達」
「ん?」
「あの子、名前なんて言うの?」
岩壁の上、3人はまだ始まっていない2人の戦いを待っていた
「A=エーデルだよ」
「A...ふーん
(やっぱりあの子がそうだったのね)
あの子一体何者なの?」
「え?」
「さっき私があんたのこと殴った時すっごい殺気飛ばされてびっくりしたわさ
しかもあの子のオーラ、少し変わってる
あんなオーラ見たことないわさ」
「あー、えっと...」
ゴンは少し困ったように頬をかき、キルアに助けを求めるように視線を寄越す
「...あいつのことはあいつに聞けよ」
「何?知らないの?」
「知ってるっつーの!!」
「ふーん?
あの子なんであんなに怒ってたのよ
作戦は理解してたはずでしょ?」
「Aは優しいから」
「え?」
「Aはすっごく優しくて、俺たちのことを大事にしてくれてるんだ」
「...」
「作戦とか関係ねーんだよ
俺やゴンが傷つけられたらあいつは自分のことみてーに怒る」
「...(あの子がずっと私を警戒してたのはこの子達を守るためだったってわけね)」
そう、Aがずっと2人の後ろを走っていたのも、必要以上にビスケを警戒し続けていたのも
全て2人を守るため
2人の背中を守るため、不測の事態にすぐに対処するため
まだまだ未熟な2人を守るのも、Aがここにきた理由の一つだったのだ
「...修行をつける必要はなさそうだわね」
「わー!Aすごいや!」
3人の視線の先では、ちょうど勝負に決着がついたようで、Aがビノールトから離れこちらに向かって歩いてきていた
キルアに続きゴンも下に降りていく
『次は2人の番だね
頑張って』
「うん!」
「お前2週間も何しとくんだよ」
『うーん...散歩かな』
「なあに?ここにいないの?」
後からビスケも下に降りてきたようで会話に参加する
『適当に歩き回ったらまた戻ってくるよ』
「地図持っていく?」
『ううん
2人の匂いならちゃんと覚えてるから大丈夫』
「匂い?」
「こいつ、スッゲー鼻いいんだよ」
「へー、便利だわね」
相変わらずのマイペースで早々にその場を離れようとするAの腕をキルアが掴む
『なに?』
「どれくらいで帰ってくんの」
『朝...か、昼かな』
「ちゃんと帰ってこいよ」
『もちろん』
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作者名:SHINKAI | 作成日時:2022年9月9日 19時