エーデルワイスを君に2【HUNTER×HUNTER】 (ページ7)

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第52話ページ7

門の前にいても、電話での会話は聞き取れた。

どうやら執事室に繋いでくれていたようだ。
ゴンが代わりに話をさせてもらったようだが、案の定即切り。

しかも内容がキルアには友達がいない、というもの。

ゴンは大激怒で再度電話をかけるが、あくまでも相手は冷静に対処した。

向こうは絶対にゴン達を敷地内に入れるつもりはないようだ。

再度切られた電話で、ゴンの意思は

塀をよじ登り屋敷に行く

に決まったようだ。

『．．．』

すぐ隣で塀をよじ登ろうとするゴンに目もくれず、Aはその場で屈伸を始めた。
腕と足、ついでに肩を回す。
何やら準備運動をしているようだ。

「私も侵入者の門からついていきます」

ゼブロのこの言葉にゴンの動きが止まった。

ゼブロの打診により、ゴンは塀をよじ登るのをやめたようだ。

「もう一度私が試しの門を開けます
　今度はミケを正面から見てください」

『ゼブロさん
　その役、私がしてもいいですか？』

「ええ？」

「は！？おい本気かよA！
　2tだぞ！？いや、両扉だと4tだ！
　いくらお前でも無理だぜ！」

『試すだけだよ
　開けられなかったら、その時はお願いしますね、ゼブロさん』

「いいでしょう」

Aは邪魔な髪を後ろで一つに結び、ゆっくり門に両手をついた。

「．．．」

『(片方2t
　同じ重さのものに対して加える力は左右で均等になるようにする

　腕だけじゃなく、体全体で扉を．．．押すっ！！)』

一気にぐ、っと力を入れると
なんと扉が開いたのだ

「「「！！！」」」

「あ、開いた．．．！」

Aは足を前に進め、全員が通るまで扉を開け続け、最後に駆け足で邸内に足を踏み入れた。

「Aお前すげーな！
　あんだけ重かった扉がすんなり開いちまったぞ！」

『ははは
　これでレオリオの方がか弱いことがわかったね』

「うるせー！！」

「(なんて子だ．．．3の扉まで、あんなにも軽々と．．．)」

そう、Aが開けたのは3。
つまりキルアと同じ16tの扉を開けたのだ。

しかしAは扉が開くことを分かった時点で力を抜いた
つまり本気で扉を押していたら4までは確実に開いていただろう。

「．．．」

ゴンは、結んだ髪を解くAを見つめていた。
きっと、先ほどのことを酷く後悔しているのだろう。

右手の拳が力強く握られていた。