第63話 ページ18
「あら？あなたこの子のこと好きなんでしょう？」
「は！？ば、そんなわけ．．．っ！」
キキョウの爆弾発言にキルアは一瞬狼狽えるが、当のAがほとんど話を聞いていないのに気づき平静を取り戻す
「とにかくAを離せって！」
結局その日はそれ以上話が進むことはなく、食事ができたと知らせが来たキキョウが全員を食堂に連れて行った。
「大丈夫か．．．？」
『え？うん
なんかよくわからんけど大丈夫．．．』
キルアの隣に座らせられ、食事が運ばれてくるのを待つAは未だに目が死んでいる。
「そうだわぱぱ！
Aちゃんをキルの許嫁にしようと思うの！
どうかしら！」
「ほう．．．いんじゃないのか」
「あら〜！よかったわねキル！」
「．．．」
キルアは珍しくキキョウに噛み付かず、ｳｸﾞｩ．．．と頭を抱えるAの背中をさすっていた。
「．．．ごめんな
こんな事に巻き込んじまって」
『え？』
「許嫁とか、気にすんなよ
ババアが勝手にいってる事だからさ」
『．．．いや、気にしてるのは許嫁のことじゃないよ』
「え？」
『キキョウさんの突然の態度の変化があまりにも怖すぎる
そして今から運ばれてくる料理は恐らく毒入り．．．
こ、殺される．．．っ』
「お前、そんなこと気にしてたのかよ」
『そんなこと！？
私にとっては一大事だよ！！
毒なんて無理！』
「(内臓とか躊躇なく食ってたくせに．．．)」
まあ、確かに毒は話が違うな、と思ったキルアの表情はどこか嬉しそう
そんなキルアを見てAは私の危機的状況がそんな面白いか！
と何やら勘違いをしていた
「ばーか
お前の飯は毒抜いてるよ
さっき親父が言ってたの聞いてなかったのか？」
『え！？』
弾かれたようにシルバを見ると小さく頷く姿にAの表情が一瞬で晴れる
「俺は、許嫁が嫌なのかと思ってたぜ」
『許嫁．．．
それって結婚する相手のことだよね？』
「えっ．．．まあ、そうだな
(あ〜こいつちょっと常識知らずだった．．．こういうことも知識としてしか知らないのかもな)」
『結婚したらずっと一緒にいるんでしょ？
別にキルアと一緒にいれるのは嬉しいし
私はキルアのこと好きだし大事だから嫌じゃないよ』
「あ、そう．．．
(なーんかちょっとずれてる気がするけど、まあ、いいか．．．)」
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作者名：SHINKAI | 作成日時：2022年8月24日 22時
