第58話 ページ13
なんとか屋敷に入り、キルアに会うというミッションを果たしたAは今とある部屋の前に来ていた。
「ここはワシの息子の部屋じゃ」
『息子．．．ということはキルアのお父さんで、現当主』
「シルバもお前さんに会いたがっておってな
行くぞ」
ゼノさんはノックもなしに扉をあけ部屋に入った。
『お邪魔します』
一言言い部屋に入ると、そこは青白い部屋だった
部屋の中央には長い銀髪の髪を持った男性がソファーに座っていた。
両サイドには筋肉質な犬？が2匹
2匹がこちらを見てきたのでにこりと笑う。
「君が、キルの友達か」
『初めまして、A＝エーデルと言います
私の他にも後3人いますが、まだこちらには来ていません
突然の来訪、失礼しました』
「なんじゃ、随分ワシの時とは違って礼儀正しいのう」
『(あなたがあいさつする間もなく爆弾投下したからだろうが！)』
「そんな固くなるな
俺の名前はシルバだ、好きに呼んでいい
親父、キルはどうしたんだ」
「キルはまた独房に戻った
鎖をちぎってミルキにまた叱られておる」
「鎖を？」
「ああ
熱い再会じゃったのう」
『ゼノさんやめてください』
揶揄われわずかに顔が熱を持つ
「そうか．．．
A、君に来てもらったのはキルのことで聞きたいことがあったからだ」
『．．．私にお答えできることなら』
空気が変わったのがわかった
思わず背筋が伸びる
「君はどうしてここに来た」
『キルアに会うためです』
「なぜ」
『友達だからです』
「そうか
ならもう君の目的は達した
“キルアに会う“
もうここにいる意味はないだろう」
『．．．』
「帰りなさい
他の友人達も連れて」
『それは、できません』
「なぜ」
『まだ、することが残っているので』
「それはなんだ？」
『．．．』
冷たい殺気が部屋を包む
冷や汗が背中を伝った
『キルアを、連れ戻すことです！』
「．．．連れ戻す、か
面白いことを言う
親父から、君のことは聞いている」
その言葉に横目でゼノさんを見るが、目は合わない
それどころか何やら楽しそうだ
『(この．．．っ)
そうですか
それで、私のことがこの話に何か関係が？』
「君は、人を殺したことがあるだろう」
『．．．ええ』
「なら、この家にとってキルがどれだけ重要な存在かも、わかるだろう」
『ええ』
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作者名：SHINKAI | 作成日時：2022年8月24日 22時
