45話 ページ48
「毛利先生
先生は蘭さんを抱えて右にできるだけ寄ってください」
「え?」
「Aさんはシートベルトを外してこちらに」
『え゛?』
おいおいおいおい
この人まさか...っ!
『ちょっと安室さん、もしかしてっ』
「急いで!」
『!
〜〜〜っああ、もう!』
この人が今からやろうとしていることをなんとなく察してしまい
こうなればやけくそだ、とシートベルトを外す
『おじさん!蘭を゛!?』
何が何かわからず言われたとおりに動く二人に声をかけようとした時
強い力で腕を引かれる
足を色んな所に打った気がするが...この際気にしてられない
力強く抱かれる肩
これから来るであろう衝撃を耐えるため、咄嗟に彼の首元に顔をうずめ服を強く握りしめた
「っ!」
『、』
肩を抱く力が、少し強くなった気がした
瞬間、90度回転し急停止した車
そこに追突してきた犯人の車の強い衝撃に一瞬息が詰まる
後ろの二人の声すらも掻き消されるほどの大きな音
窓ガラスが運転席にまで飛んで、背中や足にぶつかった
『っ!』
その衝撃も一瞬で止み、犯人の車からコナンに拳銃を向けた女が激高し降りてくるのが見えた
まあ、その女もバイクに乗った世良に吹っ飛ばされたのだが...
『(なんつー、無茶を...)』
安室さんが車を降りてから、昴さんにもう大丈夫そうだから帰っていいよ、とメールを入れた
「大丈夫ですか?」
『あはは...
まあ、なんとか...』
差し出された手を取り覚束ない足で外に出る
「怪我はありませんか?」
『はい、特には』
ぶつけた足が痛いだけです
prrr prrr
「あ、すみません」
『いえ』
安室さんの携帯に電話が入り、コナンたちの方を向く
『っ!?』
その時に目に映ったのは背後にかけられた陸橋
そこにいたのは...
バイクに跨りこちらを見つめる、プラチナブロンドの髪の女性
『っ(ベル、モット...!)』
彼女は私が見ていることに気づきヘルメットを被った
唖然として、何もできず立ち尽くす私を数秒見つめたのち
彼女はバイクであっという間に走って行ってしまった
『(どうして、彼女が...)』
その時の私は驚きや焦りから気づかなかった
そんな私をじっと見つめる
一つの視線に...
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「See you again sometime soon.
Pretty pretty
A doll.
(いずれまた会いましょう
可愛い可愛い
人形さん)」
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作者名:SHINKAI | 作成日時:2022年4月6日 16時