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21話 ページ24

「頼太くん
 初音さん

 結婚おめでとーー!」


お祝いの言葉を合図にその場が拍手で包まれた

私たちもテーブルに座ったままではあるものの、中心に立つ二人を祝福する


「よ!ご両人!
 妬けるねー!」


「お!久しぶりだなあ、毛利」


おじさんがそんな二人に声をかけたことで私たちは順に挨拶をかわしていく


「君が英理ちゃんの代理って子か?」


『はい
 真白Aです

 英理さんにお願いされまして...

 熱々な二人の惚気をお土産によろしく、って』


「あはは!そうか!」


どうやら2人は一目惚れだったらしく、驚くことに誕生日に血液型、境遇まで同じらしい

それだけでなくお互いが考えていることまでわかる時があるとか


『(正に、出会うべくして出会った、って感じだな...

 まるで...)』


「お待たせしました」


無粋なことを考えてしまっていた私の思考は、ウェイターさんが料理を運んできたことで中断された


「あ!」


「あ、おい!」


「すいません!」


『(あらら...)』


ウェイターさんは運んできた料理を見事にひっくり返してしまい、伴場さんのズボンが汚れてしまった

その上、伴場さんは床に落ちたケーキを踏んでしまっている


「本当にすみません!
 自分ここのバイト今日が初日で」


「大丈夫
 それより、ズボンを拭くおしぼりか何か持って来てくれる?」


と、初音さんはウィンク付きでお願いをする


それに対して伴場さんは嫉妬を露にする


『...』


「?どうしたんだよ」


おじさんたちが話しているのを耳に入れながらさっきのウェイターの背中を見つめる

そんな私にコナンが小声で声をかけてきた


『いや...
 さっきの人...』


「?

 !おめぇまさか...」


『?』


「あの店員がイケメンだったから見てんじゃねえだろうな」


『はぁ...?』


伴場さんと同じこと言ってる...

この男は昔から私に対し、蘭に向けるものとは別の独占欲を見せることがあった


『(このヤキモチ焼きはまだ健在なのか...)

 眼鏡してたし、顔なんて大して見てないよ』


「...そーかよ」


納得してないようだが、とりあえず無視でいいだろう


『(さっきのウェイター
 わざとケーキを落としたように思ったんだけど...

 気のせい、か...)』

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作者名:SHINKAI | 作成日時:2022年4月6日 16時

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