15話 ページ17
この展示室は他の部屋と隔離されている
『次郎吉さん
この展示室だけ少し変わってますよね?
ここを出たらどちらの廊下も何もなく一直線
突き当りに着いたら南向き、つまりこの博物館の入り口側に扉があり
そこを開けると他の展示物がある場所に出る』
「この展示室は元々は廊下までを一つの展示室としておったんじゃよ
一番大きな展示室としてな
今回の展示のためにこの真ん中に部屋を急遽区切ったんじゃよ」
『へー...』
「ん?
しまった!もう展示開始の時間じゃ!
警備電源を入れなくてわ!」
「あ...おじさま行っちゃった...」
「せっかくだから他の展示もゆっくり見に行こうよ
どうせキッドの予告時間は18時
まだまだ時間あるんだし」
「それもそうね
Aもいこ!」
『あ、うん』
まあ、警備するなら館内を把握した方がいいか...
『...』
__________________
18:30
犯行予告時間三十分前
博物館に来ていた人たちは全員外に出され、入り口も締め切られた
一般人は私と蘭と園子と次郎吉さんのみ
警備はショーケースの周りに4人
出入り口に2人ずつ計8人
廊下最奥、入り口に3人ずつ計6人
展示室の四方に監視カメラ
監視室に中森警部と数人の警察
残りは博物館の、外
『(完璧でない、けど
まあ、現時点での最善かな)』
「あ、もう19時まで10分切った...」
「いよいよね!
楽しみ〜!」
私たちは次郎吉さんと一緒に監視室にいるため、目の前の映像を見ている
『(さぁ、月下の奇術師
どうやって現れる...?)』
「大変です!!」
「どうした!!」
「これが、博物館の入り口に...!!」
『...』
監視室に飛び込んできたのは、たしか博物館入り口で監視役を任された一人だったはずだ
彼曰く、突然上からこのカードが落ちてきたらしい
「あ、おい!」
そのカードを急いで手に取る
『っ!』
「何が書いてあった!」
『...
”宝石は、我が手中に”』
「「「!!?」」」
「でもまだ19時じゃないよ!?」
「とりあえず一度確認だ!」
中森警部は監視室の警察を引き連れ展示室に走って行ってしまった
それに続いて蘭たちも部屋を出ていく
『...』
映像に異常はない
ハッキングは...おそらくされていない
予告時間5分前、か...
12人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:SHINKAI | 作成日時:2022年4月6日 16時