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第32話 ページ34

「お前、普通の人間じゃねえだろ」


『?
 キルアもじゃん』


「そう意味じゃねーよ!」


『?』


頭の後ろで腕を組んだキルアがうーん、と何やら頭を悩ませている。

私たちは今、試験終了を知らせるアナウンスを聞き船に向かっている途中だ。


「なんつーか、こう...

 人の形以外のなんか、っていうか
 うまく言えねえけど...」


『(ふむ)』


どうやらキルアは経験で培った勘により、私の正体に気づきつつあるようだ。

まあ、キルアに限らず、ゴンたちにこのことを隠すつもりは毛頭ないのだ。
聞かれればいくらでも答えよう。

それだけ、私は彼らを信用しているし信頼を寄せている。


『うーん
 教えてもいいけど

 ここではちょっと難しいかな』


「なんでだよ」


『ここじゃ他の受験者の目もあるし
 口で説明するより実際に見た方が早いと思うんだよ』


「ふーん」


『(それにネテロ会長にストップかけられてるしね)

 だから!試験が終わった後ならいいよ』


「...ぜってー
 約束だかんな」


『もちろん』


はい、と小指を差し出すと
キルアは一瞬たじろいだが素直に小指を絡ませた


『ゆーびきーりげんまん
 うーそつーいたーらはーりせんぼんのーます

 指切った!」


「...」


ただの口約束だ
それでも今の彼らには何よりも固い約束になったことだろう。

キルアは繋いだ小指を少し眺め
わずかに口元を緩める。


「(前までの生活じゃ考えられないことばっかりだ)」


一足先に船に向かったAの背中をみる。
すると、突然振り返ったA


「...っ」


彼女の背後に輝く太陽と
光を反射する海に眼が眩む。


『キルア!
 早くー!』


風が吹いて、Aの藍色の髪が青空に舞う

Aの顔は、逆光でよく見えなかったけれど
きっといつもの優しい顔で笑っていたのだろう

キルアはAの笑顔を思い出して小さく笑った


「おー!今行くー!」









この幸せな時間がこの先も続けばいいと願った

しかし、終わりはすぐそこまでやってきていた


別れの時まで、あと..._____

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設定タグ:HUNTER×HUNTER , ハンターハンター , キルア   
作品ジャンル:アニメ
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SHINKAI(プロフ) - 蒼さん» ありがとうございます!そう言って頂けるとすごく嬉しいです!これからも作品をよろしくお願いします! (2022年8月31日 0時) (レス) id: 9829dd467f (このIDを非表示/違反報告)
- HUNTER×HUNTERの世界観にあった文章でサクサク読み進めることが出来ました。とても面白かったです! (2022年8月30日 23時) (レス) @page48 id: 1c5f686e4f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SHINKAI | 作成日時:2022年2月11日 4時

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