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第25話 ページ27

「なっ!?」


『...』


先頭を走ってきていた男が驚きの声をあげると、今度は悲痛な叫び声をあげその場に蹲ってしまった。
それを見た受験者は思わず立ち止まり、うずくまる男の前に立つ少女を呆然と見つめた。


『言ったでしょ?
 私もあなた方を殺 してでもこの部屋を出るつもりだ、と』


「っぅぅううう゛」


『これが最後の警告ですよ
 死にたくなければ道を開けろ』


「っ」


飛ばされた殺気に動けなくなる囚人たち
そして...今もなおうめき声を上げる男。

右手を押さえているが、そこからは止めどなく赤い液体が流れ続けている。

武器を振り上げ迫ってきた男の手を、Aは一瞬で切り落としてしまったのだ。
しかし、この場にいる誰も何が起きたのか理解できていないだろう。
だからこそ動けない。

常人は、理解できない出来事には対処ができない。
その出来事に対して、そもそもの対象法を知らないからだ。

今囚人たちの脳内を支配しているのは、恐怖だった。

しかし、人間、中には無謀を働くものも多くいる。


「な、何が死にたくなければだ!!
 たかが餓鬼1人でこの人数を相手できるわけがねえだろうが!!!」


この男も、その1人である。


「そうだ!!
 この餓鬼を足止めすれば俺たちの刑期はその分免除される!」

「殺 しちまえば100年だ!!」

「この人数でかかればいけるぞ!!」

「いくぞ!!」

「殺 せ!!!」

「殺 せば俺たちの勝ちだ!」


どうやらここにはバカが多くいたようだ。


『せっかく忠告してあげたのに
 ...残念だよ』


古今東西様々な武器を持った囚人たちは、何の躊躇もなくAに襲い掛かる。

Aは一度小さく息を吐くと、白花を一際輝かせ口元に怪しい笑みを浮かべ、襲いくる集団に迎え撃った...___










____
______
________





『...』


正に地獄絵図だった

先ほどまで必死に武器を振り回していた者達は、今は血の海に沈んでいる。


屍の中央には、唯一A1人が佇んでいた
服も髪も、肌も真っ赤に染め上げた姿で。


獣のような瞳孔が、ゆっくりついつもの状態に戻っていく。
しかし、いまだに彼女の背後には大きな影のようなものがユラユラと揺れている。

真っ赤に染まった爪もまるで獣のように尖っていた。

『...フゥーーー』


一度大きく深呼吸をすると、その影も爪もなくなる。
まるで、幻でも見ていたかのような錯覚に陥る。

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設定タグ:HUNTER×HUNTER , ハンターハンター , キルア   
作品ジャンル:アニメ
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SHINKAI(プロフ) - 蒼さん» ありがとうございます!そう言って頂けるとすごく嬉しいです!これからも作品をよろしくお願いします! (2022年8月31日 0時) (レス) id: 9829dd467f (このIDを非表示/違反報告)
- HUNTER×HUNTERの世界観にあった文章でサクサク読み進めることが出来ました。とても面白かったです! (2022年8月30日 23時) (レス) @page48 id: 1c5f686e4f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SHINKAI | 作成日時:2022年2月11日 4時

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