第29話 ページ31
キルアside
4次試験が始まって数日が経った。
ターゲットが誰なのかもわかんねーし初日からずーっと後ろをついてくる奴もいるわで
正直面倒だなーって思ってた時。
『キールーアーーー!!』
「!
A!?」
いきなり俺の前に着地したのは数日前とは違って血を綺麗に落としたAだった。
まあ上着とかにはまだ赤黒いシミが残っていたけど。
「おま、なんで
つーかどっから来たんだよ...」
上を見るも簡単に折れそうな枝が伸びているばかりだ。
『まーまー!
キルアのこと探してたんだよ
キルアってば匂い薄くて全然見つからなくて焦ったよ』
「(匂い、って
ゴンと同じようなこというな、こいつ)
って、探してた?」
数日前の、謎の威圧感はすっかり消え
いつも通りのAはこの森の中俺を探していたという。
どうやらターゲットが俺と連番のため、相手がチームで動いている可能性があると判断したらしい。
「なるほどな
目星はついてんのか?」
『もちろん』
ウィンクをするAの視線が後ろに向く。
俺もそれにつられ後ろを見て、納得。
「なるほどね」
『あ、そうだ
キルアこれあげる』
「なんだよこれ
ナンバープレート?誰の」
『私のこと狙ってきたやつの
プレート奪って船が止まったところに置いてきた』
「へー」
こいつがターゲットになるなんて運の悪い奴。
俺はもらったプレートを一旦ポケットに直し、後ろでいつの間にか増えていた奴らの方に向けて一歩足を踏み出した。
『キルアもなかなか性格悪いよねー』
ケラケラと笑うAは俺が奪い取った198番のプレートを手で遊ばせながら横を歩く。
『294番がいたの気づいてた上で、プレートを直前ですり替えて投げ飛ばすなんてさ』
「別にいいだろ
おこぼれもらおうとしてた罰だよ」
『ま、それでいうと私もおこぼれみたいなものだけど』
「お前はいいんだよ」
俺のその言葉に、やったー甘やかされてるー
と訳のわかんねえことを言って笑うAの横顔をじっと見つめる。
その視線に気づいたAがどうしたの?と首を傾げた。
「お前さ、3次試験で何があったんだよ」
『...』
「ゴンとか、心配してたぞ」
『...そっかー
心配させちゃったかー』
ヘラりと笑ったAは行き着いた湖のそばに腰を下ろし
3次試験で何があったのかを話し始めた。
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SHINKAI(プロフ) - 蒼さん» ありがとうございます!そう言って頂けるとすごく嬉しいです!これからも作品をよろしくお願いします! (2022年8月31日 0時) (レス) id: 9829dd467f (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - HUNTER×HUNTERの世界観にあった文章でサクサク読み進めることが出来ました。とても面白かったです! (2022年8月30日 23時) (レス) @page48 id: 1c5f686e4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SHINKAI | 作成日時:2022年2月11日 4時