第１話 ページ3
キルアside
「あっちゃー．．．早く着きすぎたか」
スケボーを脇に抱えてエレベーターを降りてきたのは銀髪の少年。
受験番号99番、キルア=ゾルディック。
「(どいつもこいつも大した事なさそうだな)」
他の受験者を見ても物怖じしないのは彼がプロの殺し屋であり、確かな実力を持っているからだろう。
そんな少年に歩み寄る人物が一人。
「よお！君新入りだろ？」
「おっさん誰？」
「俺はトンパだ
こう見えてハンター試験は何度も受けててな、君みたいな新人に声かけてるんだよ」
「ふーん」
「名前はなんていうんだ？」
「キルア」
「キルアか！
じゃあお近づきのしるしにこれやるよ」
「お！マジ？
おっさんいい奴じゃん！」
「ははは
ま、なんかあったらなんでも聞いてくれよ
じゃあな」
トンパと名乗った男は自身が渡したジュースをキルアが飲むのを見届けてからその場を立ち去った。
「．．．」
不敵な笑みを浮かべて。
「新人に目つけてる奴かな
ま、俺には関係ないけど」
ジュースの中には強力な下剤が入っていた。
トンパは所謂新人潰しの輩であり、キルア以外にも声をかけていたのだ。
しかしキルアは暗殺者。
毒には耐性があり、ジュースの中に何かが混入していたのはわかっていても何の躊躇もなくそれを飲み干した。
「番号札をどうぞ
こちらの番号札は試験中手放さず持っておいてくださいね」
適当なところで座ろうとしていたキルアの耳に、次に到着した受験者を案内する声が聞こえた。
なんとなくそちらに目を向ける
「．．．！」
そこに立っていたのは自分と同じくらいの歳の少女だった。
『ありがとうございます』
光の入らない此処では黒髪に見えるがよく見たら青みを帯びている。日の下ではきっと綺麗な藍色であろう長めの髪。
猫目の自分よりは丸みがあるが、目じりがほんの少しつり上がった白い瞳の目。
いや、少し水色がかったように見える。
「(変わった目の色だな．．．)」
ショートパンツから覗く足は細長く程よく引き締まっている。
肌は白過ぎず、程よい肌色だ。
プレートを受け取る指先はとてもしなやかで、所作の一つ一つに上品さがうかがえる。
ほんの数秒ではあるが、その少女に見惚れていたキルア。
しかしすぐにハッと意識が戻る。
それの原因は．．．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 118人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
SHINKAI(プロフ) - 蒼さん» ありがとうございます！そう言って頂けるとすごく嬉しいです！これからも作品をよろしくお願いします！ (2022年8月31日 0時) (
レス) id: 9829dd467f (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - HUNTER×HUNTERの世界観にあった文章でサクサク読み進めることが出来ました。とても面白かったです！ (2022年8月30日 23時) (レス) @page48 id: 1c5f686e4f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SHINKAI | 作成日時：2022年2月11日 4時
