１話 ページ3
『喧嘩賭博？そんなのしてたっけ』
「ウチの名前勝手に使ってくだらねえ事してる奴がいんだよ」
金の辮髪にこめかみの龍の刺青。
いかにも不良な見た目をした彼。ドラケンは自転車を漕ぎながら話す。
『ふーん。勇気あるねぇ．．．』
「Aー、どらやきちょうだーい」
一体どこのバカがそんな馬鹿なことをしているのか、と頭をひねっていると前から声をかけられる。
『はーい』
私が乗せてもらっている自転車を漕ぐのはこちらも金髪の少年。
マイキーだ。
私は腕を伸ばしてどらやきを食べさせる。
『で、それを今から見に行くの？』
「やめさせにいくんだよ」
『ふーん』
どらやきを一口食べてマイキーの背中にもたれ掛かる。
「さっさと終わらして俺とデートしようね♡」
そう言ってマイキーは後ろ手に私の頭を撫でる。
分厚い手のひらに撫でられて自然と口角があがる。
『うん！』
「途端にテンション上がりやがって」
「Aは俺の事大好きだからねー♡」
そんな話をしているうちに喧嘩賭博が行われているらしい公園に着いた。
煽るような歓声の中に鈍い音が聞こえる。
囃し立てる周囲の声。
自転車を降りて近づくと見えてきた。
金髪の小柄な少年がウチの組の奴に一方的に殴られていた。
『主催者が客ボコってどうすんのよ．．．』
あまりにも馬鹿らしい光景に思わずため息が零れた。
一方的すぎるそれに周りも少しずつ黙っていく。
歓声は消え、鈍い音だけがそこに響き始めた。
「もういいってタケミチ！！！」
「マジで死んじまうぞ！！」
『？』
少年の友達だろうか。
もうとっくにボロボロの彼を止めようと必死に叫んでいる。
彼らのそんな声に少年は何かを言ってるがここまでは聞こえてこない。
私たちは少し離れた所で少年を見つめる。
「もう引けよ！タケミチ」
「十分気合見せたよ！！」
「引けねぇんだよ！！！！」
「引けねぇ理由があるんだよ！！！」
『．．．っ』
あまりの気迫に周りも押し黙る。
私も思わず息をのむ。
「東京卍會
キヨマサ．．．」
「勝つにはオレを殺すしかねーぞ」
息も上がって、瞼は腫れあがって、鼻血だって出ちゃってボロボロ泣いてるくせに。
君はどうしてそこまでして立ち続けるの？
不思議な子。
でも．．．
『(あの人にそっくりだ．．．)』
「絶っっ対ぇ負けねぇ」
そう言って笑う君を見て口角が上がるのを感じた。
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SHINKAI(プロフ) - ごんさん» 嬉しいぃぃ！！！イチャイチャ書きますね！ (2021年9月29日 13時) (
レス) id: 9829dd467f (このIDを非表示/違反報告)
ごん(プロフ) - 続きがめちゃんこ気になります！それに面白いしマイキー大好きなのでニヤニヤしながら読んでます！ヒロインとのイチャイチャ楽しみにしてます！！ (2021年9月29日 6時) (レス) id: 7f8b6a2b90 (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます！そのお言葉で頑張れます！！ (2021年9月25日 16時) (レス) id: 9829dd467f (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めっちゃ面白いです、応援しています！ (2021年9月25日 8時) (レス) @page14 id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - 癒し系猫さん» そう言ってもらえるとめっちゃ嬉しいです！頑張って続き書きますのでぜひ読んでください！ (2021年7月29日 11時) (レス) id: 9829dd467f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHINKAI | 作成日時：2021年7月28日 22時
