きみのとなり (ページ9)

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side Juri

目を開けると白い天井が見えた。

緑「樹っ！よかった…気分どう？」

凛々しい眉をぎゅっと下げて
安心したように、慎太郎が笑う。

発作が起きて、運ばれて
治まってきたところまではうっすら記憶がある

疲労で身体が重くて動けそうになくて、
慎太郎に背中を撫でられながら
安心してたぶんそのまま眠ってしまったんだ。

大きな発作だったし
きっとそのまま入院、ってとこだろう

発作は落ち着いても気道の炎症は
まだ治まっていない状態だろうから

話そうと思って口を開けば喉がつっかえて、
また咳が出る。

青「…っ、ｹﾎｹﾎｹ…ｯｹﾎ」

緑「喋んないでいいよ。…気づくの遅くなってごめんね」

俺が悪いのに、そんな風に謝らないで欲しい。

深夜に咳が聞こえて廊下に出たら
意識を飛ばしかけた俺がいて救急車を呼ぶなんて
慎太郎の方がよっぽど怖かったに決まってる。

緑「…吸入器も持たないで、なんであんなとこで倒れてたの」

拗ねたような、怒ったような声で慎太郎が話し始める

緑「あんなひどい発作、…ベッド出てくのもしんどかったんじゃないの？」

…今話せる状態だったとしても
図星だからどのみちなにも返せないだろう。

緑「樹のことだから俺を起こしたらとか考えたんだろうけど、…叩き起こしていいんだよ」

その優しい声に視界が滲む
いつだって俺は慎太郎に迷惑ばっかりかけて。

青「…ｾﾞｪーーｯ…、っ、…」

緑「…樹？」

泣きそうになるのと同時に
気道がまたゼェゼェ音を立てる

苦しくて、…苦しくて。

慌てた慎太郎がナースコールを押すと
看護師さんがやってきて、先生を呼びに行く

青「…はぁっ、…は、ﾋｭｰｰ、ｯ」

「田中さん、ちょっとベッド起こしますね。くるしいね～？お薬入れますから、もう少し頑張りましょう。大丈夫すぐ楽になるからね」

青「は、…ｯも、…ゃ」

緑「樹…っ、」

泣きそうな慎太郎の声
吸入用のマスクをつけられて必死にそれを吸う

…もうこんな身体、やめてしまいたい。

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