きみのとなり (ページ7)

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side Taiga

青「…そろそろ動いてみるか」

少し症状が落ち着いてきたのを確認して
樹が車のエンジンをかける

青「窓開いてるし、しんどくなったらいつだって止められるから」

桃「ん…、ありがと…」

シートを倒した助手席から運転席の樹を盗み見る

彼は誰が見たっていい男で

迷惑かけてばっかりの俺なんかとは
絶対に一緒にいるべきじゃなくてー…

ぐらついた精神状態では
余計なことばかり考えてしまって

ホント情けなくて、視界が滲む

桃「…ｽﾞｽﾞ､」

鼻を啜るその音に気が付いた樹がこちらを向く

目が合うとそのまま左手を伸ばして
クシャ、と俺の頭を撫でた

青「…ゆっくりでいいんだよ」

桃「…っ、迷惑ばっか…ごめっ、」

青「一生かかったっていいの。きょもの辛さ全部は分かってあげられないけど、それでもずっと側にいるって決めてんだから」

情けなさと、あったかさが混じり合って

涙が止めどなく溢れてゆく

青「な～かないの！ほら！」

そう言って顔にティッシュが押し付けられる

車の窓からは少し冷たい風が吹き込んできて
火照っていた身体には心地よかった

眠りに落ちる数秒前の微睡の中で

もうすぐ桜が咲きそうだよと

樹の声が聞こえた気がした

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