きみのとなり (ページ2)

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side Taiga

息苦しさで目が覚めて

浮上する意識の中

あ、やばいかもと思った時にはもう遅くて。

そっと繋いでいた北斗の手を離し

息を吐きながら、胸をさする。

少しでも楽な体勢にと動いてはみたけれど

苦しくて、胸は痛くなる一方で。

桃「……っ、はｧ、」

眠っている北斗のことを思うと

なるべく静かにしていたいけれど…

痛みと苦しさに、呻くような声が出てしまう。

苦しくて、頭が回らなくなってきて

ああ、薬ーーー…

そう思った時にはもう

腕を伸ばすことすらできる状態じゃなくて

北斗ーーー…

必死にその名前を呼ぶ

桃「…っ、ほく……、っ、う"………く、とっ…」

明日も仕事の北斗のこと起こしたくない、

でもしんどい

…でもきっともう夜も更けるような時間で、

けどもう自分にはどうにもできない

でも…毎回こんな風に迷惑かけて、

あぁでもこのまま気付いてもらえなかったら俺ー…

頭の中でそんな「でも」がぐるぐる回って

息苦しさと相まって、パニックになる

黒「…大我？だぃ…ぶ…ち……ぃ……」

名前を呼ばれたことだけはわかって。

そこから先は

彼が何を言ってるのかも分からなくなるくらい

北斗のその声にまるでぷつりと糸が切れたように

色んな感情が一気に、こみ上げる

…気が付いてくれたことに対する安心と

申し訳なさとでわけわからなくなりながら

薬はまだかという問いに

必死に答える。

……そこから先のことは

意識が飛び飛びで、よく思い出せない。

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