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父親が芸能人ゆえのことだけど、
彼のご両親が去年離婚して
いま彼が父親と2人で暮らしていることは
世間では周知の事実だった。
桃「忙しい人だからそんなに会うこともないけど、何ひとつ不自由はしてない。予備校も、お金は気にしないで必要な授業は取ればいい。志望校だって、お前の行きたいところでいいって。…いい親だよ。」
いい親だ、と 噛み締めるように彼は2度呟いた
…言いたいことは、分かる気がした。
好きにしろ という心強い言葉さえ
自分に興味がないと言われているように聞こえて
いい親で在ろうとしてくれることが
逆に寂しさを助長させたりもする。
親心を理解することと、
それを受け止められることは別で
…18歳の私たちは、
大人と子供の狭間で、揺れていた。
桃「でも俺の模試の結果も、W大の政経がどれだけレベルの高い場所かってことも、…きっと父さんは、知らないから。」
必死に生きる中で生まれた家族のすれ違い
誰も悪くなくて
…だけどそれは、まぎれもなく"孤独"で。
桃「…寂しい、って思う俺は 親不孝者だね」
彼の感情の矛先はいま、
親ではなく彼自身に向いているのだと気が付く
桃「…ひとりになっちゃった」
そう呟いてからわざとらしく窓の外の世界に目をやった彼の視線の先に、何があったのか私は知らない。
…どうしようもなく、苦しいと思った。
「じゃあ、私と共有しよう。…近くに頑張ってる人いると刺激になるし」
…安い、言葉。
それでも、伝えないよりマシだと思った。
それを聞いた京本くんは、俯いて小さく笑った。
金木犀の花みたいに小さくて
それでいて確かな存在を放つ、美しさ。
やっと彼の本当の表情が見られた気がして
名前も知らない感情が、体中を渦巻いた。
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はる(プロフ) - なさん» な様、わざわざコメントくださりありがとうございます！楽しんでいただけて嬉しいです(^^)Xの方は迷惑行為対策としての一時的な対応になりますので、お気になさらないでください。もう少しだけお待ちいただければと思います！ (1月20日 7時) (
レス) id: 360781c527 (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - ど深夜も過ぎた明け方に見つけて、泣きながら読みました…。物語の繊細な空気感は、はるさんの言葉選びが素敵だからですね。泣きながら飛んだX、フォロー押した後にbio欄気付きまして…、通知増やしましたかね、申し訳ないです。。素敵なお話に出会えて幸せです。 (1月20日 5時) (レス) @page50 id: a662f9fc26 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - あみさん» あみさん、わざわざコメントありがとうございます！不器用さんたちばっかりのストーリー、気に入ってもらえて嬉しいです(^^) (2021年11月8日 23時) (レス) id: 4e8f9bb287 (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - キラキラした恋に憧れがちですが、実際は上手くいかないし、ズルくなったり誰かを傷つけてしまったりもしますよね。不器用で人間らしい恋愛模様に惹かれました。ピンクさんの美しさに戸惑いたいし、赤さんの際限ない愛が羨ましい…とっても面白かったです！すきです！ (2021年11月8日 17時) (レス) @page49 id: 1bfc2c8595 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - きらさん» きらさん、わざわざコメントありがとうございます！お付き合いいただきありがとうございました！ (2021年11月7日 10時) (レス) id: 4e8f9bb287 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる
| 作成日時：2021年9月25日 11時
