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あっという間に3年生になった。
変わったことも特にない。
桜が散って、もうすぐ梅雨が来る。
3年目にもなると外国語だらけの日常にも慣れた。
ゼミは思っていた以上に大変だけど、
1〜2年でだいぶ単位は取れたから
授業自体はそんなに多くない。
「雨降りそうだね〜」
赤「もうすぐ rainy season だもんね。…あ、Aちゃん、俺バイト前に今日図書館で文献コピーして行く！」
「うん分かった。また明日ね」
赤「…気をつけてね？」
「まだ17時だって。じゃあね」
ジェシーのバイト先とうちは同じ方面だから
普段シフトのある日は新宿まで一緒に帰るけど
今日は校内でジェシーと分かれて、駅に向かう。
ホームに乗り込んできた電車に目をやると、
閉じられたドアの先に知っている人がいて。
私に気が付いたその人もドアの向こう側で
零れ落ちそうなくらいに
目をまんまるくして私を見つめている。
ーーー 四谷〜 四谷〜…
アナウンスと同時に
プシューと音を立てながら電車のドアが開く
「…慎太郎くん！」
緑「Aさんじゃん！久しぶり！卒業以来じゃない？」
バイト先が同じジェシーから時々話は聞いているから
懐かしく感じるほどではないけれど、
実際に会うのは2年ぶり。
緑「ジェシー元気？最近シフト被らなくてさ。」
「元気。うるさいくらい」
緑「ハハ、よかった」
「慎太郎くんこれからバイト？」
緑「そう！」
「ジェシーも今日バイトって言ってたよ」
緑「まじ！久々会えるじゃん」
クラスも一緒になったことないけど
気さくに話せるみたいな不思議な距離感。
…とはいえ何駅も話し続けるほどの仲でもなくて。
話題に出来るような共通の知人だって、
そう何人もいないから。
「…京本くんは、元気？」
なるべく含みを持たないように、淡々と
…久しぶりに彼の名前を口にする。
緑「あ〜、…うん。元気、かな。」
「…？」
思ったよりも歯切れの悪いその返事に違和感を抱く。
緑「なんか年明けあたりからまた様子おかしくてさ」
「…"また" って？」
緑「あー…、…Aさんと別れた後もちょっと塞ぎこんでたのよ」
慎太郎くんが、気まずそうに笑う。
気のせいかもしれないけれど
年明け、という言葉に心当たりはあった。
…ていうか、別れて塞ぎ込むも何も
そもそもフラれたのは私の方だ。
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はる(プロフ) - なさん» な様、わざわざコメントくださりありがとうございます！楽しんでいただけて嬉しいです(^^)Xの方は迷惑行為対策としての一時的な対応になりますので、お気になさらないでください。もう少しだけお待ちいただければと思います！ (1月20日 7時) (
レス) id: 360781c527 (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - ど深夜も過ぎた明け方に見つけて、泣きながら読みました…。物語の繊細な空気感は、はるさんの言葉選びが素敵だからですね。泣きながら飛んだX、フォロー押した後にbio欄気付きまして…、通知増やしましたかね、申し訳ないです。。素敵なお話に出会えて幸せです。 (1月20日 5時) (レス) @page50 id: a662f9fc26 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - あみさん» あみさん、わざわざコメントありがとうございます！不器用さんたちばっかりのストーリー、気に入ってもらえて嬉しいです(^^) (2021年11月8日 23時) (レス) id: 4e8f9bb287 (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - キラキラした恋に憧れがちですが、実際は上手くいかないし、ズルくなったり誰かを傷つけてしまったりもしますよね。不器用で人間らしい恋愛模様に惹かれました。ピンクさんの美しさに戸惑いたいし、赤さんの際限ない愛が羨ましい…とっても面白かったです！すきです！ (2021年11月8日 17時) (レス) @page49 id: 1bfc2c8595 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - きらさん» きらさん、わざわざコメントありがとうございます！お付き合いいただきありがとうございました！ (2021年11月7日 10時) (レス) id: 4e8f9bb287 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる
| 作成日時：2021年9月25日 11時
