エンドロールはいらない【桃】

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朝を受け入れた海は、窓の外で静かに揺れていた。




愛すべき人を愛しきれない自分は最低で

成人したって、結局私はまだまだ子供だった。




横で眠っている王子の穏やかな顔を眺める。

掘りの深い、美しい顔立ち




ジェシーはショートスリーパーだから

これだけ長く一緒にいるのに
彼より早く目が覚めたのはまだほんの数回目だ。




…いつかの教室で見た京本くんの寝顔と重なって



それを掻き消すように、

ジェシーの頬にそっとキスを落とす







赤「ん、…」





澄んだ瞳が、私を捉える





「good morning」



赤「、…はよ」






頭を優しくポンポンされて

ひとつ優しいキスを交わす







「久しぶりにジェシーの寝てるところ見た」




赤「っハハ！さいあくだよ」




「…ぇ、」






" …っ、さいあく "


" …え "


" …寝顔見られた、よね？"







赤「…俺Aちゃんの寝顔眺めるのが好きなのに」






…私はこの人に、


あまりにも正しく愛されている






「…ジェシー」



赤「ん〜？」



「…I love you, too.」







私も、彼を愛している






赤「…へへっ」



「なに、こわい」



赤「…好きって、言ってくれた」






笑うその表情は少し苦しそうにも見えて

思わずジェシーの胸元に擦り寄る



…この人のくれる愛に、応えたい。





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