20 ページ21
.
温かい手が後頭部を撫でる感覚で目を覚ます
何度経験しても、心地の良い目覚めだなと思う。
赤「…やっと起きた」
ジェシーが優しく笑って、つむじにキスを落とす
「ん…いまなんじ？」
赤「ん〜half-past ten かな。まだ眠たい？」
「ん〜〜………」
赤「haha, 眠たいじゃん」
「ん〜くるじぃ！」
起きろとでも言うようにぎゅ〜っと抱き締められる
ジェシーのムスクのような男らしい香水の匂いが
私を包み込む
彼と過ごす時間は甘すぎるくらいに甘い。
彼と結婚する人はきっと世界一の幸せ者だと思う。
赤「髪染めようかなあ〜」
「どしたの急に」
赤「高校の友達がさ、金髪にしてたの。かっこいいな〜って」
「いいんじゃない？」
赤「…Aちゃんは、何色が好き？」
「ん〜、…あ、ジェシーはシルバーとかも似合いそう」
赤「hehe，silverもいいね」
ジェシーが楽しそうに笑ってから
甘えるようにぐりぐりと頭を押し付けてくるから
鎖骨をくすぐってくる彼の毛先をそっと避ける
彼の髪は、シルクみたいに柔らかくて綺麗だ。
「お昼ごはん、Uberしようか。洗濯物溜まってるし明日バイトだからそれ食べたら私帰る」
赤「ん、わかった。送ってく」
「ありがとう。…ジェシーなに食べたい？」
赤「ん〜pizza！」
「またぁ？」
…穏やかで、愛に溢れていて、心地いい
それなのに心にはずっと小さく穴が開いていて
隙間風が吹き込んでいた。
赤「…そうだ、慎太郎がAちゃんに会いたがってたよ。今度J大潜入するわ〜って言ってた！」
「なにそれ、慎太郎くんいたら目立ちそう」
赤「haha たしかに！」
慎太郎くんはジェシーのバイト先の友達で、私の高校の同級生。…と言っても私は同じクラスになったことがないからあまりよく知らないけど、京本くんとは仲が良かった。
偶然バイト先で高校の話をしている時にジェシーが私と同じ高校の名前だと気づいたらしく、判明した。
赤「…Aちゃん、」
私の名前を呼んだ彼が
唇にそっと優しいキスをくれる
それから割れ物にでも触れるみたいに
そっと私の頭を撫でて
最近穴を開けたばかりの耳元
ファーストピアスに引っ掛かった髪の毛を優しく払う
近距離で見つめ合う15秒
…甘い、雰囲気
「…ジェシー、」
赤「…起きようか、」
そしてまたおでこにキスをして
照れたように俯いて起き上がる
私は彼に愛されている、…際限なく。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1390人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はる(プロフ) - なさん» な様、わざわざコメントくださりありがとうございます！楽しんでいただけて嬉しいです(^^)Xの方は迷惑行為対策としての一時的な対応になりますので、お気になさらないでください。もう少しだけお待ちいただければと思います！ (1月20日 7時) (
レス) id: 360781c527 (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - ど深夜も過ぎた明け方に見つけて、泣きながら読みました…。物語の繊細な空気感は、はるさんの言葉選びが素敵だからですね。泣きながら飛んだX、フォロー押した後にbio欄気付きまして…、通知増やしましたかね、申し訳ないです。。素敵なお話に出会えて幸せです。 (1月20日 5時) (レス) @page50 id: a662f9fc26 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - あみさん» あみさん、わざわざコメントありがとうございます！不器用さんたちばっかりのストーリー、気に入ってもらえて嬉しいです(^^) (2021年11月8日 23時) (レス) id: 4e8f9bb287 (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - キラキラした恋に憧れがちですが、実際は上手くいかないし、ズルくなったり誰かを傷つけてしまったりもしますよね。不器用で人間らしい恋愛模様に惹かれました。ピンクさんの美しさに戸惑いたいし、赤さんの際限ない愛が羨ましい…とっても面白かったです！すきです！ (2021年11月8日 17時) (レス) @page49 id: 1bfc2c8595 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - きらさん» きらさん、わざわざコメントありがとうございます！お付き合いいただきありがとうございました！ (2021年11月7日 10時) (レス) id: 4e8f9bb287 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はる
| 作成日時：2021年9月25日 11時
