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第一志望の合格発表の日
国際教養学部の発表は15時
大我くんは今日の12時に発表らしいけど
まだ連絡が来ていない。
結果がどちらだったとしても
発表を控えている私に
気を使ってのことだと思うけど。
15時を少し過ぎて通用門をくぐる
すれ違う泣いている人、喜んでいる人
もう今さら結果は変わらないのに
いっちょまえに緊張してくる
少し奥の方に掲示板のようなものが見える
人だかりができているからきっとあそこだろう
掲示板の前に着いたら
ひとつ息を吐いて顔を上げる
「…噓」
掲示された5桁の受験番号たち
そこには確かに
私の受験票と同じ数字の羅列があった。
親に電話をして合格を伝えると
「おめでとう」と言われて泣きそうになる
…電話しても、いいだろうか
少し迷いながら携帯を開く
「悔しい」「頑張ろう」「きっと大丈夫」
そんな言葉が並ぶトーク画面
大我くんに電話をかけると
数回目のコールで繋がる
桃「もしもし、」
…抑揚のない、静かな声
「…もしもし」
桃「…どうだった？」
遠慮がちに、そう尋ねられる
「っ、受かった…」
え！？と大きな声が聞こえて笑ってしまう
桃「おめでとう！ほんとに！？すごい！」
「ほんとにありがとう」
桃「…俺も受かった、政治経済。」
「え！？すごい！！！おめでとう！！！」
安心と喜びで声が震えて、視界が滲む。
桃「…はは、声でっか」
「京本くんもでかかったよ」
桃「だって、…嬉しくて。」
それからまた噛み締めるように
おめでとうを言い合う。
嬉しいの奥に、寂しいが隠れていた。
…春から本当に、別の大学に通うんだ。
「…とりあえず2人とも、良かったね」
桃「そうだね」
「…ありがとう。京本くんがいたから、頑張れた。」
なんだよそれ、と電話の向こう側で響いた声に
彼の笑顔が浮かんで、無性に会いたくなる。
桃「…早く帰っておいで。」
「ふふ、なにそれ。…じゃ、駅着いたから。またね」
桃「ん、」
…通話を切って、電車に乗る。
春からこの場所に通うんだ。
そう思うだけで
3月のまだ冷たい風も不思議と心地よかった。
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はる(プロフ) - なさん» な様、わざわざコメントくださりありがとうございます！楽しんでいただけて嬉しいです(^^)Xの方は迷惑行為対策としての一時的な対応になりますので、お気になさらないでください。もう少しだけお待ちいただければと思います！ (1月20日 7時) (
レス) id: 360781c527 (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - ど深夜も過ぎた明け方に見つけて、泣きながら読みました…。物語の繊細な空気感は、はるさんの言葉選びが素敵だからですね。泣きながら飛んだX、フォロー押した後にbio欄気付きまして…、通知増やしましたかね、申し訳ないです。。素敵なお話に出会えて幸せです。 (1月20日 5時) (レス) @page50 id: a662f9fc26 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - あみさん» あみさん、わざわざコメントありがとうございます！不器用さんたちばっかりのストーリー、気に入ってもらえて嬉しいです(^^) (2021年11月8日 23時) (レス) id: 4e8f9bb287 (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - キラキラした恋に憧れがちですが、実際は上手くいかないし、ズルくなったり誰かを傷つけてしまったりもしますよね。不器用で人間らしい恋愛模様に惹かれました。ピンクさんの美しさに戸惑いたいし、赤さんの際限ない愛が羨ましい…とっても面白かったです！すきです！ (2021年11月8日 17時) (レス) @page49 id: 1bfc2c8595 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - きらさん» きらさん、わざわざコメントありがとうございます！お付き合いいただきありがとうございました！ (2021年11月7日 10時) (レス) id: 4e8f9bb287 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる
| 作成日時：2021年9月25日 11時
