71 ページ21
.
side Jesse
大我から 助けて、と連絡が入ったのは
昼過ぎのこと。
北斗の様子がおかしい
一昨日の病院も行ってないみたいだし
衰弱しているから病院に連れて行きたいけど
パニックを起こしてしまって1人じゃ無理そうだと
そんな内容のLINEが誤字だらけで届いたきり
大我とは連絡がつかなくなった。
ただ事じゃなさそうなその連絡に
夕方から予定していた明後日収録の
アルバム曲の振り入れの予定を中止にして
樹と2人で受けていた取材の後、駆けつけた。
青「…っ、ほくと！？」
桃「…樹！ジェシー！」
北斗の家に向かうと大我が出て、
俺たちを見て安心したように破顔する。
赤「北斗大丈夫なの？」
桃「やっとちょっと落ち着いて話せるようになってきた。さっき水は飲めたんだけど…俺も断片的に聞いた話だけどたぶん一昨日病院行こうとしてパニックになって、それからずっとこの状態だったみたいで。…食事も摂れてないし、たぶん睡眠も。」
青「…北斗、」
部屋に入るとベッドに腰かけて
しんどそうに放心する北斗がいて
樹がその横にしゃがむ
痩せて顔色も悪く、隈が酷い。
赤「北斗、」
青「主治医の先生は今日もいるのかな。…きょも、連絡してないよね？」
桃「…ごめん、そこまで気回らなかった。」
青「ちょっと連絡してくる。ちゃんと薬もらって、点滴でもしてもらおう」
樹が部屋を出る
俺を見上げた北斗が、小さく口を開く
黒「…クスリ、」
赤「…ん？」
黒「薬、…切れて、びょーいん…で、」
赤「…うん」
黒「玄関で…息、できなくて、っ」
薬を用いての治療を始めるときに
少しずつ量を減らさないといけないものだから
自分の判断で服用を中止しないでくださいと
お医者さんに言われた。
そうしないと逆効果だからね、と。
黒「…もう、もどれない、…よね、…おれ」
息を吐くのと変わらない、小さな声で北斗が呟いた
一点を見つめたまま動かない視線
その瞳からこぼれ落ちてゆく、大粒の涙
大我がティッシュを持ってきて
そっと北斗の涙を拭う
青「先生いるって。北斗、落ち着いたら病院行こう」
桃「だあくんに連絡するわ」
青「ありがときょも。…なんか、あったかいもんでも飲むか、北斗勝手にキッチン漁るぜ？」
黒「ん、…」
コントロールを失ったように
北斗の綺麗な瞳からは涙が流れ続ける
けど
赤「…北斗、」
" …もう、もどれない、…よね、"
その言葉が、救いだった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1215人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はる(プロフ) - れもんそーだ。さん» わざわざメッセージありがとうございます！楽しんでいただけてよかったです。最後までお付き合いいただきありがとうございました！ (2021年9月9日 15時) (
レス) id: 4e8f9bb287 (このIDを非表示/違反報告)
れもんそーだ。(プロフ) - 完結おめでとうございます、、、！！泣けるシーンが多くて涙腺崩壊です笑素晴らしい作品をありがとうございます、、！！ (2021年9月9日 15時) (レス) id: 8f21f31651 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - サンリオさん» ありがとうございます。ついに完結してしまいました…お付き合いいただきありがとうございました！ (2021年9月7日 22時) (レス) id: 4e8f9bb287 (このIDを非表示/違反報告)
サンリオ - 完結おめでとうございます！大好きな作品です (2021年9月7日 21時) (レス) id: 4241a03c33 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はる
| 作成日時：2021年5月12日 19時
