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side Juri
終わらなかった仕事をカバンにしまい込み
近所のカフェでまたパソコンを開く
ふと顔を上げると窓の外、
赤く染まり始めた樹々が映る
厳しい冬を越えるため
樹は自らの葉を落としその分の栄養を蓄える
…そんな話を昔、祖母から耳にした記憶がある。
実力がものをいう世界で生きている彼は
いつだって厳しい冬の中にいるようなもので。
きょもにとっての俺はー…
冬の木の葉のように、余計な存在ではないだろうか
共に生きてゆくと誓ったって
簡単に君の感情の機微を
肌で感じられる距離にいないからこそ、不安は拭えなくて
急に怖くなって「東京は寒いよ」なんて
当たり障りのないメッセージを送る
アイスだったコナ・ブレンド 8ozは
今日を以ってしばらくの間ホットに変わる
仕事なんて結局やる気にならなくて
また窓の外に目をやると
川沿いで空を見上げる大学生たちが見えて
つられるように同じ方角を見上げると
雲ひとつない暗闇を
大きな満月が、煌々と照らしていた。
黄「あの、…ご一緒してもいいですか」
聞き覚えのある声がして慌てて顔を向けると
よく見る笑顔の素敵な店員さんが
マグカップ片手に、こちらへ笑顔を向けている
上着を羽織っているから、きっと休憩中なのだろう
青「…もちろん、」
そう返してひとつ微笑んでから
自分からこぼれ落ちたその言葉に思わず驚いた
顔見知りではあるけれど
断じて彼と親しいわけではない
嬉しそうにまた笑ったその人は
俺の正面に腰掛けて一口、コーヒーを啜る
青「…なんでこのタイミング？」
黄「え？」
青「もう何年も、話したこともなかったのに」
初めての会話とは思えないその不躾な言葉に
彼は不貞腐れたように口を尖らせたけれど
黄「…なんか、元気がないように見えたから」
目に皺を寄せたその人の笑顔は
なんだか仕事中のそれよりも子供っぽく見えた。
柔らかなその物腰に
不思議と安心している自分がいて
目の前、開いていながらもまともに
手をつけていなかったパソコンをそっと閉じる
青「遠距離なんです、恋人と。…もう何年も」
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はる(プロフ) - ちゃちゃんさん» わざわざありがとうございます！よろしくお願いします(^^) (2021年6月19日 21時) (
レス) id: 4e8f9bb287 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃちゃん(プロフ) - Twitterフォローさせて頂きました。いつも素敵な作品ありがとうございます(T . T) (2021年6月19日 4時) (レス) id: c2f549b097 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる
| 作成日時：2021年4月27日 12時
