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side Hokuto
黒「実家には何日か泊まるの？」
桃「うん、明日は親戚に顔見せて墓参りして、明後日の昼には東京戻るから」
黒「そっか。声掛けてくれてありがとう」
桃「当たり前じゃん。俺も会いたかったし」
やっぱりこっちは空が広いやと
店を出て星空を見上げた京本が笑う
きっと学生時代の君にとっては当たり前で
見上げることすらしなかったであろうこの街の空
黒「やばい、あと6分で電車来ちゃうよ」
桃「ん〜、間に合わなきゃ次でいいよ」
黒「…この時間はこれ逃したらもう50分こないよ」
桃「ハハッ、そっか。…都会とは違うんだった」
君が名残惜しそうにしているように見えるのは
俺の気のせいだろうか
それともこんなやりとりは
友人の間でも普通にあることなのだろうか
桃「…じゃあ、また」
黒「うん、気をつけて」
改札を抜けた彼は
一度だけ振り返って俺に手を振る
ようやく涼しくなり始めた風が
ほろ酔いの体を撫でるように舞う
小さくなってゆく彼の背中を眺めるけれど
あっという間にピントが合わなくなって
やっぱり先週は床屋なんかより
眼科に行って眼鏡を作り直すべきだったなと
自分の情けない恋心を恥じた。
しばらくすると電車の去ってゆく音がして
それを確認した俺は駅を背に歩き出す
帰りの畦道ではコオロギが鳴き始めていて
夏の終わりの物悲しさを助長させる
…何度夏が来たって思い出すのはきっと
君とたった一度の過ちを犯した
学校のプールの更衣室
塩素の混じった、蒸し暑い空気の香りだ
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はる(プロフ) - ちゃちゃんさん» わざわざありがとうございます！よろしくお願いします(^^) (2021年6月19日 21時) (
レス) id: 4e8f9bb287 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃちゃん(プロフ) - Twitterフォローさせて頂きました。いつも素敵な作品ありがとうございます(T . T) (2021年6月19日 4時) (レス) id: c2f549b097 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる
| 作成日時：2021年4月27日 12時
