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side Juri
君の暮らす街はどこか穏やかで
心地のよい温かな風が流れていた。
そこかしこが音楽や芸術で溢れ
美しい建物と、華麗で品のいい店舗が並ぶ
街の大きな通りには馬車まで走っていて
忙しない東京なんかより
…ずっと君にぴったりの、街だった。
青「いい街だね」
桃「樹がいれば完璧だね。…やっぱりこっちで一緒に暮らす？」
青「ハッ…遠慮しとく。」
桃「冗談。俺だって"帰る場所"はあって欲しいもの」
一緒にウィーンで暮らそうかなんて
東京で2人で暮らしている間
そんな話が出なかったわけではない
でも2人で彼の夢を追いかけるよりも
それぞれが生きるべき世界で自立していたい
それが2人で出した答えだった。
戻る場所もない状態で君を戦わせるくらいなら
俺はいつだって君の
" 帰る場所 " を守りたいんだ。
桃「…ここ！」
彼がよく来るというレストラン
店員さんときょもが何か会話をして、
テラス席へと案内される
大きな川の水面が、暮れなずむ街並みを反射して
どこまでも静かに時が流れていた
ソーセージと赤ワインで乾杯をする
しばらくすると陽が暮れて
彼の言っていた通り花火が始まった。
日本とは違いアップテンポな曲に合わせて
打ち上がるというか、…ぶち上げられてゆく花火
青「ハッ…！これなんだっけ」
桃「天国と地獄。ね、情緒ないでしょ？」
青「なんでこんなことになっちゃうのよ。さっきまで東京なんかよりずっと情緒ある街だったのに！」
桃「俺も最初は拍子抜けしたよ。」
青「…でもやっぱりどこで見ても、花火は綺麗だね」
桃「んね、」
高貴で完璧かと思ったら、どこか雑で愛おしい
やっぱり君にぴったりの街だと思った
暗闇に大きく花開いては 様々な色を放つ
確かにそれは文句なしに綺麗だったけれど
ピンクだ緑だと毎回 口にして
コロコロと表情を変える君の方が
俺にとってはずっとずっと、綺麗だった。
大きな破裂音が
君の鼓膜を不快にさせてやしないかと心配になる
見つめられているのに気がついたきょもが
不思議そうに首を傾げるから、軽く耳に手をやると
理解したのか 大丈夫、と小さく笑った。
桃「…あ、ちょっといい感じの曲になった」
ようやく少し穏やかな楽曲に変わる
知っている曲なのかきょもは体を揺らしながら
嬉しそうに空を見上げた。
青「…きょも、」
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はる(プロフ) - ちゃちゃんさん» わざわざありがとうございます！よろしくお願いします(^^) (2021年6月19日 21時) (
レス) id: 4e8f9bb287 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃちゃん(プロフ) - Twitterフォローさせて頂きました。いつも素敵な作品ありがとうございます(T . T) (2021年6月19日 4時) (レス) id: c2f549b097 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる
| 作成日時：2021年4月27日 12時
