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side Hokuto
慎太郎の言う通り神社まで来ると人はまばらで
俺の片手にはついさっき買ったできたてのたこ焼き
慎太郎の片手には焼きそば
鳥居を抜けて
境内に置かれた木のベンチに腰掛ける
緑「半分こしよ！」
黒「ん！」
焼きそばもたこ焼きも
普段はわざわざ好んで買わないようなものなのに
こういう時に食べると
ひどく美味しく感じるのは何故だろう
そう問いかけてみたくなったけれど
慎太郎は朝からたこ焼きを食べるって言ってたな
と思い出して言うのはやめた
そうこうしているうちに陽は落ちきって
夕闇を切り裂くような、小さな光が空を登る
緑「わ、始まった！」
夜空にぱぁっと花が開くのとほぼ同時
ドーン、と数発の爆発音が街に響く
真っ赤に開いたそれはゆっくりと消えて
流星のようにまた金色に光りながら落ちてゆく
紫、ピンク、緑、金 ー…
次々に打ち上がってゆく大きな花火に
思わず時を忘れて空を見上げる
盗み見た慎太郎の横顔は
いつも以上に柔らかくて穏やかだ
…あぁ、好きだなあ
しばらくしてまた上空に視線を戻す
暗闇を舞うその炎色反応たちは
フィナーレに向かって
より一層華やかになってゆく
大きな音が、全身に響き渡る
…その瞬間 ふと感じる温もり
その正体は右手に重ねられた、慎太郎の左手
一度それを認識してしまえば
花火の破裂音なんかの比にならないくらいに
激しく心臓が動き始める
嬉しさと、恥ずかしさと、戸惑いと
全部が一気に襲ってきて
それでも勇気を出してくれた君のことを思うと
愛おしくて、熱い感情が込み上げそうになる
緑「…嫌、だったかな」
ごめん、と笑った慎太郎が
すぐに手を離そうとするから
せめて嫌じゃないって、ちゃんと伝えたくて
慌ててそれを繋ぎ止める
何も言えないまま、必死に笑顔を作って見せると
安心したように彼もまた笑う
それからひとつ、右側の彼が大きく息を吸う
緑「…ねぇ北斗、」
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はる(プロフ) - ちゃちゃんさん» わざわざありがとうございます！よろしくお願いします(^^) (2021年6月19日 21時) (
レス) id: 4e8f9bb287 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃちゃん(プロフ) - Twitterフォローさせて頂きました。いつも素敵な作品ありがとうございます(T . T) (2021年6月19日 4時) (レス) id: c2f549b097 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる
| 作成日時：2021年4月27日 12時
