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side Juri
"ヴィオラに空きが出るんだよ。チャンスだから帰って来た方がいい！"
その声に、玄関先でひとり立ち尽くす
心臓が冷えるような
両足が金縛りにあったような
…そんな、感覚。
帰宅早々にリビングから聞こえてきたその声の主が
ウィーンにいる彼と同業の
日本人の友人であることは容易に想像がついた
きょもは鼓膜に受話器を近づけるのが
あまり好きじゃないらしく
家にいる時はスピーカーで電話をするから
人との会話が筒抜けになる
桃「…、でも」
”なんだよ、もう諦めたのかよ？”
桃「…そうじゃないよ。でも」
”…でも？”
桃「こっちにも、大切なものがあるんだ」
…ドキリと、大きく心臓が鳴いた
”…お前意味わかってんの？欠員だぞ？ただの入れ替えじゃない。確実にひとりは採用される。”
桃「…わかってる」
”とにかく！オーディションは16日の10時だからな！じゃ！”
桃「あ、ちょ！…もう」
ツー、ツー、ツーー…
少しでも間が空けば出るタイミングを失いそうで
うるさく脈打つ心臓もそのままに
もう一度、玄関先でわざとらしく音を立てる
青「きょも〜？ただいま！」
いつもより少し大きな声で廊下を歩き
たった今帰宅した風を装う
桃「あ、…おかえり！」
君の慌てたような表情には、気付かないフリをした。
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はる(プロフ) - ちゃちゃんさん» わざわざありがとうございます！よろしくお願いします(^^) (2021年6月19日 21時) (
レス) id: 4e8f9bb287 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃちゃん(プロフ) - Twitterフォローさせて頂きました。いつも素敵な作品ありがとうございます(T . T) (2021年6月19日 4時) (レス) id: c2f549b097 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる
| 作成日時：2021年4月27日 12時
