最後のトリプルカウンター ･ 青学の柱になれ ページ37
不二がそれを返すと、次の瞬間ボールは不二の手元にあった。
詳しくは、芥川の目の前でボールがロブのように上昇し、その後真下へ落下した。
ボールが地面に触れた瞬間急激なバックスピンがかかり不二の手元へ戻ってきた、ということだ。
「ゲームandマッチ、青学不二。6ゲーム to 1」
不二の活躍により、シングルス2を勝ち取ることが出来た青学。
これで2勝1敗となった。だが油断は出来ないと誰もが思っている。
次はとうとうシングルス1、手塚対跡部。
二人がコートに入ると同時に全員が緊張感を漂わせた。
「勝つのは氷帝！勝者は跡部！」
氷帝からはそんなコールが沢山聞こえてくる。
跡部が出てきた瞬間女子は頬を赤らめさせ、部員達は氷帝コールならぬ跡部コールを響かせていた。
「勝つのは氷帝！勝者はーーー」
跡「俺だ！」
「ワンセットマッチ、氷帝跡部toサーブ」
試合はどちらもいい勝負であった。
手塚が手塚ゾーンを駆使し、ポイントを取ってきた。
すると、跡部は突然笑い出し手塚に向かってこういった。
跡「やるじゃねぇのよ手塚。…そんな腕で」
跡部の発言に周りはざわつき出した。
跡「あぁん？その左腕痛めてるんだろ？なあ、手塚」
大「いや！手塚の肘はもう完治してる！」
大石が咄嗟にそう言うと、跡部はニヤリと笑った。
跡「なるほど…肘なわけね」
桃「大石先輩、本当なんすか！？」
桃城が大石にそう聞くと、大石は怪我の原因について話し出した。
越「でも、もう治ったんでしょ？」
大「あぁ、2ヶ月前には完治している」
皆がその言葉に安堵の息を漏らす。
菊「にしても、手塚の若い頃って誰かさんにそっくり」
ふと菊丸がそう言うと、桃城と二人でその人物を見た。
越「だれが？」
ここでいつもならば、越前に茶々を入れてくるはずのAがなんの反応もしてこなかった。
チラッと越前が横を見ると、そこには真剣な表情でコートを見つめているAがいた。
自分の視線に気がついたAは、何時もの笑顔に戻り越前の方を向いた。
『ん？どしたー？越前くん。こっちじゃなくてコートを見なきゃ』
そう言うとAはまたコートの方を向いた。
越前も言われるがままぎこちなくコートへ向いた。
手「遠慮するなよ跡部……本気で来い」
越前達が向いた先には、相手のコートに零式ドロップショットを打っている手塚の姿があった。
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作者名：ミズチー | 作成日時：2019年8月21日 14時
