消えるサーブ ページ36
Aが河村の手を冷やし終わると、竜崎先生は河村と樺地を病院に連れて行くという話をしていた。
竜「じゃ、誰かあたしの代わりにベンチコーチを」
「「あ!!」」
竜崎先生がそう言うな否や、既にベンチには二人座っていた。
越「いいっすね、こっちの方が背もたれあって」
『いやぁ〜最近肩が凝ってきてさー』
越前とAは互いにある程度距離を置いて座っていた。
菊「何とぼけたこと言ってんだ越前!」
桃「そうだ越前!お前にはまだ早えーよ!てかちゃっかり水崎先輩もなんで座ってるんすか!」
菊丸と桃城は越前を引っ張りつつ、Aにもそう言った。
不「僕は構わないよ。越前がベンチコーチでも」
でも…と言って不二はAの方を向いた。
不「水崎さんはどうして?」
『私?そーだねぇ…強いて言うなら、不二周助の本気を見てみたかったからかな』
不二はAをじっと見つめた後、わかった。と言ってコートに入って行った。
「これより、氷帝対青学、シングルス2を始めます」
「ワンセットマッチ、青学不二toサーブ」
相手は先程A達が出会った芥川慈郎であった。
不二からのサーブで始まったシングルス2。ボールを横回転させ、アンダーサーブを打った。
不「その打球、消えるよ」
不二のそんな一言で、ボールは芥川の視界から消えていった。
乾の説明によると、インパクトの前に予めボールに回転をあたえ、その為相手の手元で急激に外側へ逃げていく。
だから消えたように見える、と説明をした。
チェンジコート。審判の掛け声で二人は移動した。
試合は一波乱あったものの、順調に進んで行った。
不二が芥川のスマッシュに羆落としで返したところで、不二が突然越前に話しかけた。
不「ねぇ越前。つばめ返しと羆落としは知ってるよね」
越「知ってるっすよ」
不「じゃあこれから見せてあげるよ。…トリプルカウンターの最後の一つ、白鯨」
見ててね。不二はそう言うとAに目を向け、ふっと笑った。
『え、なになに?』
不「…いいや、水崎さんもちゃんと見ててね」
そう言うと不二はコートへ戻って行った。
『白鯨、どんな技だろうね?越前くん』
越「さぁ?見てからのお楽しみってやつじゃないすか?」
二人は顔を見合わせずコートを見ながらそんな会話をした。
次は芥川からのサーブで始まった。
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最後のトリプルカウンター ・ 青学の柱になれ→←パワーVSパワー ・ 波動球合戦!
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作者名:ミズチー | 作成日時:2019年8月21日 14時