薫の特訓 ページ24
竜「まだまだへばってんじゃないよ!」
コートに竜崎先生の声が響く。
竜「昨日伝えた通り、関東の組み合わせが決まったが、いきなり氷帝だ。昨年我々が負けたチームだ」
私達は竜崎先生の話を聞きながら練習をしている。
菊「よりによって氷帝と当たんなくたって…俺あそこ嫌い」
練習をしながら菊丸くんがそう言っていた。
結局倒すんだから同じなのでは、と私が思っていると
越「どうせ当たるんだし、とっとと倒せていいんじゃない?まだまだだね」
と、越前くんが言ってきた。今まさに同じ事を考えていたのでつい「おぉ…」と言ってしまった。
竜「ふっ…はっはっはっ!言うねぇリョーマ。頼んだよ?」
竜「よーし、越前のリクエストじゃ。ストローク練習もう1セット追加!」
竜崎先生がそう言うと、全員「えぇー!」と項垂れた。
『越前くん!勘弁してよ〜…』
何故私がこんなことを言うのかっていうと、今回は私も練習に参加してるからだ。
昨日、突然明日から練習に参加しろと言われてた。なので、ウェアとラケットを持ってきた、ていうか一応いつも持ってきてたんだけどね。
越「それにしても、ホントにテニスできたんスね」
いきなりそんなことを言ってきた越前くん。それが先輩対する態度なのか、と思いながらボールを返す。
『ちょちょ、失礼じゃない?これでも自分では結構上手いと思ってるんだけどな』
「というか、なんでできないと思ったの?」と聞くと見た目、と返ってきたから思いっきりボールを打ってやった。
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次の日の部活。
今日もまた氷帝戦に向けて練習をしている。
今は休憩中で、越前くんと1年トリオとでコートで練習をしていたゴールデンペアを見ていた。
ゴールデンペアは竜崎先生に呼ばれて、どうやら新しいフォーメーションとやらを教えられるようだ。
水「なんだろ、新しいフォーメーションって」
加「何か知ってる?リョーマくん」
越「さぁ。知らない」
『越前くんまた一段と無愛想になってるね』
そんな話をしてたら、横から誰かが歩いてきた。
越「あ、桃…じゃなかった、乾先輩。新しいフォーメーションって分かります?」
桃「データ不足です。竜崎先生の心の中までは、読めないなぁ」
乾くんに似た眼鏡を掛けた桃城くんが来て、『桃』と書いてあるノートをパラパラ捲りながらそう答えた。
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作者名:ミズチー | 作成日時:2019年8月21日 14時