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杏「その事なら大丈夫！実はもう1人呼んでおいたの」
もう1人？と2人は首を傾げた。
そう！と嬉しそうにニコニコしながら、杏は周りを見渡す。
杏「でも、あの子遅刻魔だからちょっと遅れるかもしれないわね」
桃「橘妹と知り合いで.......」
越「遅刻魔.............」
2人は、この間部活中に突然「ねぇ、ツチノコって本当にいると思う？？」と真顔で聞いてきた変人という言葉がぴったりな先輩がふと頭をよぎった。
桃「まさか、な......。そうだよなっ！？越前！」
越「っすね.......」
お互いに顔を合わせず、乾いた笑いしか出せずにいた次の瞬間、
『主役は遅れて現るってね！！やっほー杏ちゃん！』
杏「こんちは！Aさん。それと5分の遅刻よ」
桃城達の背後から現れたのは、いつものようにニコリと笑顔を浮かべているAがいた。
2人は、ギギギッと首を鳴らしながら後ろを振り返った。
『あれ、桃城くんに越前くんじゃん！なんでいるの？今日は杏ちゃんと2人でデートのはずなのに』
杏「Aさん？人の話は最後まで聞いてっていつも言ってるじゃない！なんで途中で電話切るかなぁ…」
突如として現れたAは、開口一番にそんなことを言い出した。ああ、通常運転だ、と2人はどこかホッとした。
桃「って、やっぱりもう1人って水崎先輩だったんすか！？」
杏「そ、この4人でデートだよ」
『え、ちょちょ話が違うよ杏ちゃん！なんで2人まで！？』
越「うるさい。ちょっと黙っててくれません？」
流石に収拾がつかなくなり、とりあえずAに事の事情を説明し、この場を落ち着かせた。
『な〜んだ、そういう事ね？それならそうと早く言ってくれれば…』
杏「だ〜か〜ら！それを言う前にあなたが電話を切ったんでしょ！！」
『はいすみません』
自分達は一体何を見せらせているのだろうか。2人の考えが今一致した瞬間であった。現在目の前で、年上(A)が年下(杏)に説教されているという異様な光景が流れている。
杏「はぁ……今日はもうこのぐらいにしておくけど、次からは気をつけてよね？Aさん」
『はい…以後気をつけます』
要約説教が終わり、杏はため息をついたのち桃城たちの方を向いた。
杏「じゃ、そういう事だから早速行きましょう！今日はAさんもデートっぽい服装してきてることだし」
『まぁ杏ちゃんとデートって聞いてたしね〜』
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作者名：ミズチー | 作成日時：2019年8月21日 14時
