後輩の小瀧くん。

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小「お疲れ様です。」





『お疲れ様』





約束通り、小瀧くんは

会社から少し離れた場所で待っていてくれて






二人で肩を並べて歩く帰り道





しばらく沈黙が続く中






私はというと、小瀧くんの話を待つべきか、

それとも、すぐに言ってしまうべきか

ずっと"例の話"のタイミングを伺っていた







小「先輩…」






だけど、最初に口を開いたのは

小瀧くんの方だった







小「昨日の事なんですけど…覚えていますか？」






そう言って

いつになく真剣に聞いてくる小瀧くん






『…ごめん。

話てたのはわかるんだけど、内容までは…』






そう、小瀧くんに素直に伝えれば






小「…まぁ、そうですよね。

何となく、そうだとは思っていましたけど、」






そう言って

ちょっと拗ねたような態度をみせる小瀧くん








そして再び沈黙








言うなら今？

でも、何か小瀧くん不機嫌そうだしな…





だからといって

このまま時間がたつとどんどん言いにくくなる






小「どうしたんですか？顔、険しいですよ」






いや、言うなら今だ






『あ…あのさ「ところで、先輩」







そう言って、今度は立ち止まる小瀧くん






『どうしたの？』






思わず、私もつられて足を止める






小「何かありましたか？」






そう言って、ジッと私を見つめる小瀧くん






『え…？』






小「今日の先輩、何か様子がおかしい気がして

(会社で)会った時も何か元気がないように見えたんで

…これって、俺の勘違いですか？」









『そう？…普通だったと思うけど』






そう言って

小瀧くんの視線から逃げるように目を逸らす






何やってんだ、私

こんなの何かあるの認めてるようなもんだ







"例の話"をするならば

言うタイミングは間違いなく"今"なのに







小「何か隠してますか？」







『隠してない』






話すタイミングをくれたのも

偶然にも小瀧くんのほうからなのに

"あのね"て切り出せばいいのに






なのに







小「先輩…？」









何でだろ

いざとなると言葉が出ない









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