後輩の小瀧くん。

・ ページ11

．





そうか、からかってるだけか





『よし、今日こそ定時に帰るぞ！』






小「急に凄いやる気ですね。午前中は変人だったのに」






ほら、やっぱり小瀧くんはいつもと変わらない。






何だ。私が変に意識しすぎてたんだ





思えば、小瀧くん呑み会参加後だしね？




呑まされてお酒も入ってたんだろう、





だから、何ともない

ただ、わんちゃんに舐められたくらいの感覚





ただの"御礼"。雰囲気に流されただけ、

馬鹿みたいだ。一人で意識しまくって





そう思うと何だか気持ちがスッキリして、

鼻歌なんて歌っちゃったりして





小「何なんですか？急に。
何があったか知らないですけど、浮かれすぎです」






『別に、気持ちがスッキリしただけ』





小「そうですか。…て、先輩あぶな！！」





そう言って、小瀧くんに思いっきり手を捕まれる






『え？』





小「何、自分の指ホッチキスでとめようとしてるんですか？バカなんですか？しっかりして下さい」






『あ、…ごめん』






小「焦った…」





と、顔をあげれば、






『…っ』






近っ！！近い…






小「……」





『……』





だめ。





この雰囲気はだめなやつ…






小「先輩、もしかして昨日の…『あ！そう言えば通ったよ！部長もありえないくらい褒めてた！』







そう言ってさり気なく距離をとる






小「…そうですか、それは良かったです」






小瀧くんも察したのか
再び、資料のホッチキス止めを再開する。






危ない






あの雰囲気はだめなやつだ…









-

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す