約6年前 ページ19
「ごめん、俺には耐えられない。」
そう言われて彼に振られたのが、高校3年の時。
何が耐えられないのか聞いてみれば、どうやら侑にアプローチされているのにも関わらず、家に行ったり2人きりで遊んだりすることが嫉妬の対象になるらしい。
私は納得ができなかった。
それまでにも振られることはあったが、侑が理由というのは初めてだったから。
彼はまだ当時11歳。小学生をそんな対象で見る趣味は持ち合わせていないのに。
そんな不満が顔に出ていたのか、私が聞き返す前に彼は苦しそうな顔で言った。
「きっと君にはわからない。でも、嫉妬は苦しくて辛いよ。どれだけ年が離れても関係ない。俺にはあの子が恋敵としてしか見えていないから。」
わからない？確かに、分からない。恋敵というものも、嫉妬という感情も。
「だから、別れよう。」
断る理由も見つからない。私は頷いた。
「そこですぐ頷けちゃうのがな……いや、なんでもない。」
？
「君も、あと何年か経てば、彼のことをただの小学生なんて思えなくなると思うよ。あんなに真っ直ぐ感情をぶつけられているんだ。動かされない人間なんてそうそういないよ。」
何年か経てば？あの侑が？
……いや、ありえないだろう。
不可解な顔をしながら彼を見送る。
そして約6年後、侑に人生で初めて恋をするなど当時は全く想像もしていなかった。
《ありえなかったはずの未来》
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久賀(プロフ) - Aさん» 教えてくださってありがとうございます…！なおしました！ (2021年10月31日 21時) (
レス) id: e559a199f7 (このIDを非表示/違反報告)
A - ふらぐたってます (2021年10月31日 21時) (レス) @page17 id: 319b92452d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：久賀 | 作成日時：2021年10月31日 20時
