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★ Ｎ side
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泣きたくなかった。
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大野さんがいなくなったぐらいで､絶対に泣くもんかって思ってた。
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でもそんな俺の意地が……みんなを心配させてた??
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みんなを心配させたくなくて弱い所をみせたくなかったのに､
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俺……逆のことしちゃったの??
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大野さんがいなくなってからのことを思い返すと､
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……なんで気付かなかったんだろう。
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思い当たるフシが……いくつもあった。
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翔ちゃんは､いつもより多く俺に話しかけてくれた。
…元気にしようとしてくれてたのかな。
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潤くんとは､いつもより多く目があった。
…気にかけてくれてたのかな。
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相葉くんは､いつもより多く俺に向けて天然かましてた…気がする。
…俺を笑わせようとしてくれたのかな。
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みんなの優しさ……何で気付けなかった?
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俺は……この気持ちと､ずっと1人で戦ってた。
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でもそれは…勘違いだったんだ。
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いつでもみんなが､後ろから支えてくれてたんだ―――――。
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相葉くんの言葉が､頭の中をぐるぐると回ってる。
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俺は……みんなに甘えきれてなかった。
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ごめん､翔ちゃん。
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ごめん､潤くん。
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ごめん､相葉くん…。
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ぽとりと､手の甲に何かが落ちた。
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あれ…おかしいな。
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涙……。
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相葉くんが。翔ちゃんが。潤くんが。
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ビックリした顔で俺をみてる。
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そりゃそうだよ…めったなことで泣かない俺が。
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…号泣しちゃってるんだもんね。
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溢れてとまらない涙が､次々に頬をつたって落ちる。
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ぬぐってもぬぐっても､止まんないよ……。
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いきなり暗くなって､違和感を感じて､何だろうと顔を上げた。
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――――――みんなが､俺を抱きしめてた。
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輪になって､俺を囲むように。
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みんなも…泣いてる??
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時々聞こえてくる鼻をすする音や､相葉くんの「うぅ…」って声。
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それがまた､俺を泣かせるんだ。
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俺には､一緒に泣ける仲間がいる。
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十何年間も､一緒に過ごしてきた大好きな仲間がいる。
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俺は…1人じゃない。
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今までも。きっと…これからも。
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溢れて止まらないこの涙は。みんなを想ってこぼれる涙は。
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きっと今までの中で､
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いちばん綺麗な涙だ。
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ラッキー大宮sk!!w
ズキューンバズーカ
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作者名：なちゅ★、 | 作成日時：2012年11月4日 18時
