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★ Ｎ side
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俺の背中に､じんわりと伝わる相葉くんの体温。
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長くて細い腕が､俺のお腹の方まで回って､ぎゅっと固まってる。
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いつもなら､ちょっと力強い腕だなって思うけど…。
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なんだか今は…とにかく細い､って感じ。
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相葉くんの手の甲に､そっと自分の手を重ねた。
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「相葉くん…?? どうしたの??」
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「…にのぉ…俺……ｸﾞｽｯ」
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「なーに泣いてんの? どうしたんだよー､相葉くんぽくないなあ」
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「…俺…やっぱ､リーダーいないと…だめだよ…」
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「…それは､みんな一緒だよ。俺だって…」
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脳裏に､大野さんの顔が浮かんできた。
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ふにゃりとした笑顔。自慢げなドヤ顔。ツボがわからない大爆笑の顔。
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全部､俺らが大好きな表情―――。
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俺の名前を呼ぶ声も､耳に聞こえてくる。
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ちょっと顔をしかめて言う『ニノ』。
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俺が意地悪して､ふくれて言う『ニノ』。
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寂しくて構って欲しい時に言う『和』。
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よく頑張った､って褒めてくれるときに言う『和』。
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どれも､この十何年間､俺を安心させてきた声。
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そうだよ…もう4日も呼ばれてない。
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あの声で､あの優しい表情で……『ニノ』って。『和』って…。
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「…ニノちゃん､泣いてるの…??」
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「え､､?」
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俺に抱きついてると思ってた相葉さんが､いつのまにか後ろから俺の顔を覗き込んでた。
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熱くなった目頭を押さえると､指を伝って……雫がポトリと落ちた。
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「泣いて…ないですよ…」
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「嘘だぁ…声､震えてるよぉ??」
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「アナタだってそうですよ…あいばか」
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「あッ…あいばか言うな…ｸﾞｽｯ」
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俺､かなり堪えてた。
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だって…こんなに涙がでるなんて､思ってもなかった。
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俺…やっぱり､大野さんが好きだよ。大好きだよ。
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傍にいてくれないと…だめだよ。
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変わらず動き続ける､自販機の前。
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俺と相葉くん2人で､言いあいながら……泣いた。
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ラッキー大宮sk!!w
ズキューンバズーカ
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作者名：なちゅ★、 | 作成日時：2012年11月4日 18時
