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緑｢分かった！！ここをこうやって･･･｣
出久の声で現実に引き戻される。
いつの間にか、出久の方がゲームに熱中してしまっていたらしい。
その時、グゥーと腹の虫が鳴る。
『･･･お腹へった』
緑｢もしかして、またご飯食べてないの！？｣
もー、とまたも呆れながら慣れた手つきでセーブを進め、私の手を引いて部屋から連れ出す。
芦｢あ、親子のご登場だ。｣
緑｢親子じゃないよ･･･｣
出久は苦笑いしながらそう答える。
中学校を卒業する時に告白された時から、出久は異様に私の世話をする。
一度だけそれを拒否したことがあるが、その時は｢反抗期か･･･｣と呟き、数日間拗ねた。
それ以来、されるがままにお世話されている。
しかしそのせいで私の甘えスキルも上がっている気がして、最近は危機感を覚えている。
実際今も、ご飯作るのを手伝おうかと問うても｢大丈夫、座ってて｣と言われ、大人しくイスに腰掛けている。
峰｢クッソ･･･イチャイチャしやがって･･･！｣
切｢イチャイチャというより･･･子を甘やかす母親？｣
麗｢父親では･･･？｣
母親と父親の間やな、出久は。
そろそろ自立させてくれよ、おかとうさん。
因みにおかとうさんとは、お母さんとお父さんを混ぜた物である。
『実際の両親もそんな感じやし、あながち間違ってないかも』
耳｢まあ、Aを甘やかしたくなるのは分かる気がする｣
芦｢だよねー！可愛いし！｣
いつの間にか周りに集まっていたクラスメイト達。
え、見守られながらご飯食べなきゃいけへんの？恥ずかしいんですが。
すると、近くまで食欲を唆る匂いが香ってくる。
緑｢Aちゃん、おまたせ。皆、Aちゃんが落ち着いて食べれないから離れてあげて。｣
『
よくやった、出久。
流石私の未来の旦那。出来る彼氏。一生愛してる。
私陰キャやから、中々言えんのですわ。いやまあ頑張ったら言えるけど。
出久にグッドサインを向けてから、彼の好物であるカツ丼を食べ始めた。
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作者名：おとん | 作成日時：2021年4月11日 18時
