バレンタイン 5 ページ29
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緑｢普通は頬にするものじゃないの･･･？｣
『普通に囚われない女なんで』
綺麗にプリントされた写真をちょきちょきと設置されたハサミで二枚に分ける。
終始微妙な顔をしていた出久だが、二人が写った写真を渡せばふっと微笑んだ。
それにつられ、私も笑みを零す。
『んじゃ、次は服だな。』
緑｢Aちゃんは服大量に持ってるだろ？｣
『いやいや、あれで多いとは言わせない』
．
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．
買いたいものは全て買った。
服、お揃いの物、美味しそうなお菓子、etc･･･
とても楽しかった。
でも、
『ここからが本番』
というか、今日本来の目的。
色々と濃かったからなあ。もしかして忘れてるんじゃないだろうか。
と思ったところで出久がこちらをふりかえった。
緑｢･･･ところで、｣
『待って。今からちゃんと言う。』
ちゃんと覚えられていて、少し安堵。
鞄から保冷剤に包まれたものを取り出す。
それを見た出久は、待ってましたと言わんばかりに頬を緩ませた。
『出久』
緑｢はい｣
『･･･いつも、本当にありがとう。大好きやで』
緑｢･･････へへ、僕も。｣
そう返事すると、出久はマフィンを受け取ると同時に私に口付けを落とした。
なんとも語彙力の乏しい私だから在り来りなあんなセリフしか言えなかったけど。
出久は、どんな私でも必ず受け止めてくれると信じているから────────。
おわり
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作者名：おとん | 作成日時：2021年4月11日 18時
