バレンタイン 3 ページ27
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｢･･･きて･･･起きて、A！｣
『･･････んぁ』
薄っらと持ち上げた瞼には、目やにの張り付く感覚がする。
ボヤっとした視界の中で目を凝らすと、浮いた服と真っピンクの塊があるのが分かる。
芦｢ホラ、今日デートでしょ！私達がコーディネートしたげる！！｣
『おー･･･そりゃありがたい･･･』
寝起きという事もあって適当な返事になってしまうが、ありがたいことに変わりはない。
なんせ昨日急に決まったし、何も準備していなかった。
だから自分じゃなく誰かが服を決めてくれるのは時短にもなるし、少し言い方が悪いが丁度いい。
洗面所に行き顔についた汚れを洗い落とす。
未だグラグラとしている頭でも癖はついているようで、見ないでも器用に歯磨きの準備をし、シャコシャコと音を立てる。
部屋に戻ると着せるのであろう服がベッドに敷かれており、本人達はメイクの準備を初めている。
｢着替えて！！｣と威勢よく言われ、渋々着替える。
ガーリー系が苦手な事を知ってか、黒のスキニーパンツに大人しめな色の柄シャツという組み合わせ。
スキニーを履いて、シャツは前だけinして、見える様にベルトを付ける。
葉｢おー！やっぱり似合う！！足が長いっていいなあ･･･｣
芦｢よし、じゃあ次はメイクとヘアアレだ！！座って！！
･･･ちょ、胡座かかない！ほら女の子らしく！｣
『厳すぃぃ･･･』
そう言われ足を伸ばせば、足を伸ばして座ったら足が太くなりにくいらしい。という話から話題が広がる。
そしてずっと話していれば、私のお出かけコーデは形成されて行く。
元がいいからとナチュラルメイクで、髪は緩めの編み込み。
可愛らしいヒロインならここで｢私じゃないみたい｣という所だが、これは紛れもない私だ。
自分の顔が良いことは知っているし、ミスコンでたら優勝出来たかな、とかも考えた。
自意識過剰？はは、なんとでも。
芦｢はい、出来上がり！約束は昼からだっけ？それまで崩さない様にね！｣
『わざわざ早起きした理由は？』
葉｢早起きは三文の徳って事で！じゃまたねー！
･･･あ、出る時はこのコート羽織ってね！寒いし！｣
･･････仕方ない、ゲームするか。
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作者名：おとん | 作成日時：2021年4月11日 18時
