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緑｢Aちゃん、まだ寝てるの･･･って、前片付けたばっかりだよね！？
もう散らかってるし･･･｣
『んー･･･おはよ、出久』
おはようって時間じゃないけどね、と不満げに言いつつ、出久は荒れ果てた部屋を片付ける。
ここまでは休日のルーティンで、私は二度寝に突入する。
そこで出久が容赦無く布団を剥ぎ取るが、その布団に私が張り付くという寝たい私ＶＳ起こしたい出久の対決が始まる。
頭の中で勝手にゴングを鳴らすが、力の差故にずるずるとベッドから引き摺り出される。
『･･･あ、そうだ出久』
緑｢どうしたの？28日周期とかは通じないよ？｣
『そうじゃなくて･･･っておい、私の周期知ってんの？知ってんの？？』
緑｢それで、どうしたの？｣
サラッと話題をそらされる。
顔色ひとつ変えずに流すから怖いわー。怖いわー。
まあこの話はおいといて、本題に入るか。
『私の親が今度用事でこっち来るらしい。』
緑｢｣
そう言った瞬間、石のようにピシッと固まる出久。
別にそこまで怖い訳じゃないんだけどな。許すか許さないかは別として。
緑｢会いに行っても･･･いいですか｣
『ばっちこい』
意を決して口を開いた出久とは正反対の返事をし、とりあえずその日は全力で体を鈍らしにダラダラした。
ゲームをする時は、出久が戦略を考えて私がそれを完璧にこなすという役割がつけられていて、二人ならいつも圧勝する。
1対1の対戦ならほぼ互角だが。
緑｢あっ、負けた･･･｣
『おし、これで627勝618敗』
緑｢やっぱり強いなあ、Aちゃん｣
ふふんと得意気な顔をすると、か、可愛い〜〜！と言いながら出久に頭を撫でくり回される。
おかげでいつもボサボサだ。せめて治せ。
と、その時来客がくる。
麗｢Aちゃーん！なんか人来たよー！｣
『人？･･････まさか』
緑｢誰が来たの？｣
『出久、行くよ』
緑｢え？･･･ちょっ｣
その言葉の意味を察したのか、出久は急に焦り始めた。
急な緊張によりカチコチに固まる出久を落ち着かせながら、引っ張って玄関へ向かう。
着いた先に待ち構える着物を着た男女。予想は当たっていたようだ。
母｢･･･久しぶりやな、A｣
見れば分かる、威厳があり厳しそうな私の母親だ。
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作者名：おとん | 作成日時：2021年4月11日 18時
