ウェディングトレーニング【そらる】 (ページ6)

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誓いましょう。ページ6

朝、起きると腕の中でAが
眠っていた。その姿も可愛い。

ふわりと頭を撫でれば、大きな瞳を開けた。

「おはようございます、そらるさん」

そ「おはよ。身体痛むか？」

「全然大丈夫ですよ！そらるさんは
ちゃんとペース合わせてくれるから。」

そ「…あんまり今笑わないで。」

「え、なんでですか！？」

そ「………朝から汗かきたいか？」

「あ…。遠慮しておきます。」

ふたりでくすくすと笑いながら布団から出る。
いつもは苦手な朝だが、今日は目覚めがいい。

「あ、そらるさん！今日はちょっと行きたい場所があるんですよ！」

そ「？」

＊

Aに連れてこられた場所は教会だった。

「さ、入りましょー！」

そ「何するんだ？」

「ふふ、夫婦修行です！」

そ「あー、なるほど。」

教会の中に入るとキラキラしたステンドグラスに囲まれた。

「そらるさん！模擬結婚式やりましょうよ」

そ「人が来たら恥ずかしいだろ…」

「本当の結婚式の時に恥ずかしがるおバカは
いませんよ！やりましょう！」

そ「話聞きなさい」

何を言っても聞く耳を持たないため
仕方なく俺は十字架の前に立つ。

しばらくしてAが入ってきた。
結婚式でよく聴く曲を口ずさみながら
歩いてくるので少し笑ってしまう。

俺の隣までやって来た時、Aが一瞬
よろめいた。

そ「大丈夫かっ？」

「だ、段差あったんですね…」

ドジっ子か。
えへへ、と笑う彼女に苦笑する。

「そらるさん、誓いのキスしてください」

そ「それもするのか。」

「はい、私は待ってますんで！」

すっと目を閉じてAは動かなくなる。
誰かに見られたら穴があったら入りたい状態であるのに…。

そ「……。」

俺は彼女を少し抱き寄せ、口ずけた。
唇が触れるだけのやさしいキス。

目を開ければ、少し頬を染めた君が
ステンドグラスの光を浴びて神秘的に光っていた。