[wrwrd]異様なオミセ (ページ28)

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・ⅶ ページ28

コネシマは一度溜め息をつき、煙草に火を点ける。
あ、俺もいい？なんていう兄さんに、以外すぎて驚いたが、許可をだす。
元々ここ、喫煙室だしね。

フワフワと灰色の煙が浮かぶ。
久しぶりにこの匂い嗅いだな。
壁に寄り掛かり、静かに吸うコネシマは少し苛立ちを見せた。

「大体、兄さんとおんのが気に食わんねん。
此奴といたって時間の無駄や」

「…駄犬がなんかいいとるな、情も貰ったし潔く働いてくるわ」

「あぁうん。頑張ってね」

隣から立ち上がった兄さんは、煙草を灰皿に押し付ける。
それから礼儀として立ち上がった私に、フゥーと煙草を吹き付けた。
え、
思いっきり空気中の酸素と一緒に吸いこむ。
小さく噎せた。
きょ、拒否反応が…

「ゴホッ、ぅ、、兄さん、？」

「じゃーな、願ってくれたらすぐ会えるから。、、お前もくだらないことすんなよ」

「相変わらずやかましいやっちゃな。はよ消えろ」

私の手の甲にキスをおとして、兄さんは扉を開けて出ていった。
私が願ったら会えると、念を圧して。
かなり無理矢理帰してしまった気がするのだが、いいのだろうか。
彼も、私とコネシマの一日間ぶりの再開を祝ってくれたのかもしれない。
彼の素っ気なさからそれはないと思うが、ポジティブにいこう。

壁際で兄さんを邪険につかったコネシマは静かに私の言動を待っているようだった。
少し態度的には悪かったけど、彼らしいな。
今度兄さんにそれも謝っておこう。
苛ついている人に更に説教は、火に油を注ぐことと同義だ。

スキンシップをしてもいいのか、許可を得ることから始まる。

「コネシマ、前みたいに触れていい？」

「、別にええよ」

「よぉ〜し、コネシマ。ドンと来いっ！」

許可は得たので、大きく彼に向かって腕を広げる。
ドンと来いと言いながら、私自身彼に少しずつ近づいているのだが。
完全に犬扱い。ま、いいだろう。

コネシマは私をみて、驚いたように目を彷徨わせてから、下を向いた。
…流石に良くなかった？

それからスタスタとそのまま私に近づく。
整った顔は私には見せてくれないらしい。

ガッチリとした腕が私の背に回った。
大丈夫そうだ。

「ん〜、コネシマ、、かっこよくなっちゃてね」

「……うるさいわ」

どこかの親戚になった気分だ。
これが、孫を見ている気持ち…

彼が私の肩に顔を埋めれば、チクチクとした金髪が首にあたる。
この瞬間に人が入ってきたら申し訳ないと思いつつ、この状況を嬉しく思っていた。