恋と笑いは紙一重【芸人短編集】

ファンです 【ダイタク】 ページ7

彩綾さんのリクエストです。



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友人1｢お笑い芸人？芸人より絶対俳優さんの方がかっこいいよー。｣


友人2｢うんうん。そういえば前の山崎賢人くんのドラマ見たー？｣


友人1｢見た見たー！｣




この時代の女の子は、俳優さんだとかアイドルだとか、歌手に夢見る子が多いと思う。でも、少なからずお笑い芸人さんを推している人がいる事も忘れないでほしい。

私もその一人だ。特に双子コンビのダイタクを推していて。毎回劇場などに駆け付ける。今日も、大阪のルミネへ漫才を見に行って今は出待ち中だ。


出待ちも大変だなぁ…。


混雑した中で、ダイタクさんが出て来るのを待つ。しばらくすると誰かが出てきた様で一気にその場が騒がしくなった。警備員さんも収集に大変そうだ。私は必死に間を割って最前列に出て来る。ちょうど目の前を通ったのは、ダイタクのお兄さんの方、大さんだった。



『あの！』



私がその背中に叫ぶと、大さんが振り向いた。その横にいた拓さんもこちらを向いた。



『お写真撮ってくれませんか!?』


拓｢写真やって。兄ちゃんも撮ろー。｣


大｢ええよー。｣




ダイタクのお二人と私の3人で写真を撮り終わると、お二人は私に向き直って小さく｢あっ｣と声をもらした。



大｢前も劇場来てくれた子やん！確か……Aちゃん！｣


拓｢せや！俺らのファンやって言ってくれた！｣


『え？覚えてるんですか？』


大｢うん、これからもよろしくな。｣


拓｢よろしくな！じゃあ、また！｣




私は人混みに揉まれて行ってしまったお二人の背中を消えるまで見つめていた。覚えていてくれた。私の顔を、名前を。純粋に嬉しくて、私は唇を噛み締める。



誰がなんと言おうとも、私はやっぱりお笑い芸人のダイタクを好きじゃなくなる事なんて絶対出来ない。出来る訳ない。




私は飛び跳ねそうな思いを必死に堪えて、次に出て来た芸人さんに大きく手を振った。

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