恋と笑いは紙一重【芸人短編集】

予感 【ラニーノーズ 山田】 ページ24

彩綾さんのリクエストです。



・


『はわわわぁ……こんなにも近くに山田さんが居るうぅ。何か起きる予感がする！』


友達｢Aって"予感"って言葉好きだよなー。｣




友達には"大丈夫かコイツ"みたいな顔をされたが気にはしない。それに予感って言葉は凄く大好き。思っているだけで、本当に何か特別な事が起きそうな気がするでしょ？

私は単独ライブで舞台に立つラニーノーズの山田さんを見つめた。あぁ……芸人で面白いしカッコイイし、文句なしでしょコレ……。


いい事ある予感！






山｢じゃあ、ちょっと今からギター弾こうと思うんで誰か歌ってくれる人居てますかー？挙手！｣


洲｢おっ、ええやんけ。早い者勝ちですよー！｣


『はーいっっ!!はーいっっ!!』


山｢じゃあ……、手前のチェックの服着てはるお姉さん。｣






山田さんと視線が合った。チェックって……私じゃん!!!………………私じゃん!!!!←

さっそく予感的中。

私は友達にガッツポーズをしてワクワクと舞台に登ると山田さんがこっちこっちと手招きをした。あぁ、貴方が眩すぃ……。




山｢よぉ見たら可愛ええですねお姉さん！後で連絡先交換せぇへん？｣


洲｢ファンの方をナンパすな。じゃ、よろしく頼んますー。｣





そして夢のような時間が過ぎて、長かった単独ライブも終わってしまった。お客さんがぞろぞろと席を立って出ていく。



友｢A帰ろー。｣


『うんっ。』




私が友達の背中を追い掛けると、何処からか私を呼ぶ声がした。見渡すと、舞台の裏側に繋がるドアから顔を出していたラニーノーズの山田さん。……何かある予感！



『えっ…、どうしたんですか？』


山｢これ、俺の連絡先書いといたから。良かったら貰ってくれん？｣


『……良いんですか？』


山｢もちろん。｣


『あ、ありがとうございますっ！』


山｢じゃあ、よろしくな。｣



私は頭を下げて、その場を後にした。山田さんの連絡先が書かれたメモ帳をポケットにしまって。



友｢どうした？｣


『えーと……何でもないよ！何でも！』


友｢そう？｣




口角が自然と上がる。






今、恋が始まる予感。

幼馴染 【アインシュタイン 河井】→←世界の片隅に 【トット 桑原】

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