恋と笑いは紙一重６【芸人短編集】

付き合いきれない 【銀シャリ 鰻】 ページ40

えぬさんのリクエストです。







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この頃、俺の相方の鰻は変わってしまった。明らかに原因はひとつしかあらへんのやけど、それを俺が止めるには流石に無理があって、ただただ白い目で見ているだけやった。







『鰻くん。今からPONの収録やからカーディガンやろ？なんでスーツなん。』


鰻｢実は家に忘れてまって…。まぁこれはこれで｢カーディガン忘れたんですよー｣ってネタにできる思て気にしてはないんやけど。｣


『へー、ほなら私が持って来たの要らへんかぁ。』


鰻｢あー！要る要る!!下さい!!｣


『どうしようかなー。』


鰻｢ほなら今日はよ帰って来るから！な？｣


『よろしい。』


橋本｢いや、お前らなんやねん。｣






楽屋でそんな会話を繰り広げる二人にたまらずツッコミを入れてしまった俺。いや、この状況でツッコミを入れない漫才師がこの世に存在するのであろうか。





鰻｢なんやねんお前。ほんっま空気読めへんなぁ。こっちは二人で会話しとんのに何をカメラも回ってへんのに漫才並みにツッコミしてんねん。｣


橋｢これが職業病っちゅうやつや。俺かてなぁ、ホンマはお前らの会話にツッコミなんて入れたないんやぞおおお!!お前らがわざわざ俺の前でイチャコラするから悪いんやろ!!｣


『そんなこと言われたって、ここは銀シャリの楽屋なんやからここで話しに来うへんとアカンやんか。』


橋｢そもそもAが鰻の彼女っちゅうだけで楽屋におるんがおかしいと思うんやけど!!?｣


鰻｢顔パスや顔パス。｣


橋｢お前が許可するモンでもないいいい!!!｣





俺はパイプ椅子から立ち上がり、体全体で苛立ちを表現する。それを見ている鰻とAは汗をかきながら二人で身を縮め合っていた。





橋｢取り敢えずお前ら俺の目の前ではイチャイチャ禁止やボケえええええ!!!!｣


『あ、ほなら橋本くんの後ろ側回ればええんか。そうすれば目の前やないし。』


鰻｢名案や。｣


橋｢なぜそういう見解に至る!!?｣






俺の後ろに回って、再び恋人特有の会話を繰り広げる二人。


俺は逃げられない崖っぷちに陥り、最終的にイヤホンで音楽をガンガン聴くことにした。

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