恋と笑いは紙一重５【芸人短編集】

愛のカタチ 【博多華丸・大吉 大吉】 ページ40

りもさんのリクエストです。








・


『ごめん、別れよ。』


大吉｢……え？｣


『他に好きな人ができたの。20代、若手のお笑い芸人。』


大｢え、ちょ…『今までありがとう。家から私の物は出して、新しく私が住む家に全部移したから。じゃ。』





私は冷めた態度で大吉さんの前から立ち去った。正直言って、もう冷めたし。あんま好きじゃなくなってたし。これでいい。


私は、それから二人で住んでいた家を出て、アパートを借りて一人で暮らし始めた。









・


『ふぁっ……ねむっ。』





ある日の朝、寝起きの頭でぼうっとしながらいつも通りに玄関のポストへ朝刊を取りに行く。





『新聞新聞………あ？』




ポストを覗くと、新聞。と、1枚のA4ほどの折り畳まれた紙が入っていた。何かと思って、広げる。




"10"




『………じゅう？』



たったそれだけしか書いていなかった紙。子供のイタズラだと思って、その日はすぐにゴミ箱へと捨てた。




それから、毎朝ポストには紙が入っていて"9"、"8"、"7"、"6"と。日に日に書いてある数字は小さくなっていった。


これがもし「ぜろ」になってしまったら
どうなるのだろう。




変に襲ってくる恐怖は、
いつの間にか明日を指していた。









・


今日が、｢ぜろ｣。布団から起き上がろうとして、私は目を開ける。




大｢待たせてすまんね。｣


『…………いったいなんのつもりよ。』


大｢Aの理不尽で別れたこと、忘れてないから。｣


『元恋人への腹いせであんな子供みたいなイタズラしてたの？アホらし。』





私のその一言が頭にきたのか、布団に寝転ぶ私を上から見下ろしていた大吉さんが、私の頭を何かで殴った。



ガンガン響く鈍い痛みは、
段々と私の脳に伝わってきて。




私は意識を失った。









・



"僕は愛してるから"

特別に嫉妬して 【和牛 川西】→←いつの間にか 【トット 桑原】

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