＊ ページ30
Aちゃんが作ってくれたご飯はほんとに上手くて。夢中で食べてたら、口の端にご飯粒がついてたみたいで、｢ついてますよ、｣ってAちゃんが取ってくれたんだけど、それをそのまま口に運んでるのを見て、ドキドキが止まらなかった。
マジでずるい、 何でこんなに俺の心を乱すの上手なんだよ。
俺も片付け手伝うって言ったのに、Aちゃんが手伝わせてくれなくて、お風呂に入りながら寛いでって言ったけどきっとソファで小さく座ってるんだろうなぁって想像して可笑しくなる。本当にAちゃんは不思議な子だ。存在自体が愛しいなんて初めてで、その場にいるだけでいいとか今まで思ったこともなかった。
早く俺だけのモノになって欲しくて。俺だけをその瞳に写して欲しくて。
一緒にいればいるほど、どんどん欲張りになる。 そんなこと思っても、自分が苦しいだけなのにな。
お風呂からあがってリビングへ向かえば、そこには帰り支度をするAちゃんの姿があった。温まった身体がスッと冷えるような感覚がして、一瞬で嫌な予感がする。
OM｢...あれ、どうしたの、｣
答えなんてわかってるのに、わからないふりはせめてもの強がり。
｢ごめんなさい、あたし帰ります。｣
OM｢どうしたの急に、｣
｢...ちょっと、用事ができてしまって。｣
目を合わせてくれない彼女に、予感から確信に変わる。こんな時ばかりは、勘がいい自分が心底嫌になった。
OM｢......もしかして、哲也さん？｣
哲也さんの名前を出せば、一瞬で交わった視線。本当に残酷なほど、君はあの人しか見ていないんだね。
OM｢...何でって顔してる。当たりだ、｣
｢...えっと、｣
OM｢...ねぇ、行かないでって言ったらどうする？｣
だから意地悪したくなるんだよ。
我が儘を言いたくなるんだよ。
｢え、...｣
OM｢...哲也さんのところに、行かないで。｣
お願いだから、今だけは俺の側にいてよ。
君のことを泡にしちゃうような、王子様のところになんて行かないで。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 501人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凛(プロフ) - Hiromiさん» こんばんは☆彡お待たせしてすみませんm(_ _)m亀更新ですが、また来てください(^^) (2017年3月23日 21時) (
レス) id: 130278c935 (このIDを非表示/違反報告)
Hiromi(プロフ) - こんにちは☆更新待ってました！ありがとうございます (2017年3月23日 10時) (レス) id: 85818202fb (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - わかりました！ (2016年11月26日 0時) (レス) id: 90b57cad57 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - ひかるさん» 強制的にフラグがたってしまったので、リンクさせているとこちらのお話もフラグをたてなければいけなくなった為、一度リンクから外させてもらいました。ですので、ご覧になる際はお手数ですが、作者の作品を全表示からきていただけるとご覧頂けるかと思いますm(_ _)m (2016年11月25日 18時) (レス) id: 130278c935 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - 太陽と向日葵は消したんですか？ (2016年11月25日 18時) (レス) id: 90b57cad57 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：凛 | 作成日時：2016年11月17日 21時
