君に興味なんてない 2 (ページ30)

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大我くんに掴まれた肩。

そこから伝わる彼の熱に胸の奥がぎゅっと苦しくなった。

そのまま黙りこくったままの私に大我くんは「ねぇ、どうなの」なんて言葉を被せてくる。

「どう、って言われても」

「俺だけ？前みたいな関係に戻れて嬉しいって、いっぱい話したいことあんなって、会いたいなって思ってたのは」

「いや、えっと、」

「なに？」

大我くんが少し苛立っているのが感じられた。

"私だって、大我くんと前みたいに戻れて嬉しかったし、たくさん話したいことだってあるよ"

"会えたのだって本当はすごく嬉しいよ"

でも、それを言葉にしてしまったら、気づいてしまった恋心が溢れ出て自分じゃどうにもできなくなってしまいそうで怖い。

どう伝えたら、大我くんにそれは伝わるのだろう。

考えれば考えるほど、わからなくなってしまう。

黙りこくったままの私を前に大我くんの手の力が緩くなる。

「あっそ・・・なんか俺が一方的に浮かれてただけだったみたいだわ」

もうどうでもいいや、と言わんばかりに肩を掴んでいた手がゆるり、と離れていく。

そこにあった体温がすぐに消えてしまう。
その瞬間、ぐらり、と視界が滲んだ。

「悪かったね、疲れてるとこ押しかけて」

じゃあ、ともう最後は目も合わせてくれないまま大我くんは体の向きをくるんと変えてしまった。

だめだ、このままじゃ大我くんが行ってしまう。

今度こそもう彼との繋がりが途切れてしまう。

「待って、違うっ、」

大我くんの手首を掴む。

「なに」

「違うの、聞いて、」

「なにが？さっきまで散々黙ってたくせに」

「それは、！」

お互いに感情的になってるせいか、冷たい言葉のラリーが続く。

どんどんとヒートアップしていく私たちの声は、夜の静かな雰囲気にはどうも場違いで。

その声に反応するかのように隣の部屋のドアがゆっくりと開いて、隣人が出てくるのが視界に入った。

やばい。

咄嗟に大我くんの手首を掴んでいた手をこちらへ引き寄せて、大我くんの姿を私の後ろに隠すように移動させる。

焦っているせいで上手く鍵穴に鍵が刺さらない。
ようやくがちゃん、と開いた鍵。

扉を勢いよく開けて、大我くんを家の中へと押し込む。

「すみません、うるさかったですよねぇ～」

あははは、っていかにも誤魔化してますみたいな愛想笑いを隣人に向け、私も大我くんのあとに続いて家へと入った。

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