君に興味なんてない (ページ7)

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7(side T) ページ7

T side

「きょも、お前どうしたの？」

Aさんが出ていき、ドアがパタン、と閉まったと同時に樹が俺の顔を覗き込んだ。

「別になにも」

「きょもがヤラカシとかを嫌ってるのはわかるけど、でもAさんは違うって言ってたじゃん。それなのにあんな突っかからなくてもよくね？」

すっかりAさんに心を許したらしい樹はそう言うと眉間にシワを寄せた。

樹が言いたいこともよく分かる。

一昨日の夜の時点で「違う」と否定していた彼女を半分信じれなかったところは正直に言えばある。
半信半疑ではありつつも、これで事が続かなければそれでいいと思っていた。

だけど、まさかのことが起きた。
まさか、今日の取材の現場で偶然また再会するだなんて思ってもみなかった。
しかも雑誌のライターときた。
驚きと同時にあのときまだ半分疑っていた自分がまたひょっこりを顔を出したのだ。

あぁいう奴らはありとあらゆる手段を使って近づこうとしてくるものだ。
それが正攻法かどうかなんか関係ない。

実際、近づくために芸能界に入ったり、この業界に関係する職に就く人間だって少なくはないし。
だから雑誌のライターだっていうのも、そういうことなんじゃないのかと勘ぐってしまうのだ。

彼女は、あの夜と同じように違うと否定をしたけど、一度疑ってしまうとそれは最早俺の中で確信めいたものに形を変えてしまって、何を言われようがそう思わずにはいられなかった。

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