君に興味なんてない (ページ49)

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49(side T) ページ49

taiga話したいことがあるんだけど、暇なときある?

taiga明後日、夕方からオフなんだけどどう?

メッセージを送ってみるけど、既読になる気配はまるでなし。

あ、もしかしてあの記事のこと怒ってんのかな。
そりゃそうだよな、あのときだって「もっとアイドルとしての自覚をもて」とか「自分の置かれている立場をちゃんと考えたほうがいい」とかすごい怒ってたもんな。

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お伺いを立てたけど、反応してくれないっていうなら、こちらだって強行突破するしかない。
多分、Aは嫌がるだろうけど。

予定時刻を少しだけ過ぎて、仕事が終わった夕方。いつものように移動車の中、アプリゲームを起動する。

ロード画面で動くキャラは前にAが引き当てたキャラで。
あ、一応最後の連絡でもいれとくか、って思い出す。

taigaこれから行くよー

当然のことながら、メッセージには既読はつかない。まぁいっか。

ピンポーン、

インターホンを押してみるけど、当然のごとく返事はなくて。
メッセージアプリの通知もなし。既読も当たり前のようについていない。

しばらく家の前で待ってみたけど、やばいなこれ不審者みたいになっちゃうな。
仕方ない、と近くのファミレスに入って時間を潰す。

taigaねぇ、仕事まだ終わんない?

taiga近くのファミレスいる。ガチャ惨敗した

taigaそろそろ返事してくれてもよくない?

何度も何度もメッセージを送るけれど、それに返事がくることはなくて。
一方的な俺の緑の吹き出しマークだけが積みあがっていく。

最初は優雅にドリンク飲んで、途中でお腹空いたなってハンバーグとか食べちゃって。
最終的にはデザートと食後のコーヒーまで楽しんでしまった。

そろそろいいだろって店を出て、またAの家に戻るけれど、相変わらずインターホンを押しても返事はない。

結局、その日、俺はAに会えなかった。

ただ単に仕事終わりにファミレスで楽しんじゃった人になっちゃったじゃん。

次の週刊誌に【京本大我、破局か。1人寂しくファミレス5時間滞在】とか載ったら面白いけど。
残念ながらそういうのは記事になんないんだよな、なんてそんなことを考えながら乗り込んだ―タクシーの車窓から流れる景色に視線を向けた。

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