君に興味なんてない (ページ45)

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45(side T) ページ45

このことをAに言ったほうがいいのだろうか。

部屋を出て、先を歩くマネージャーの背中を追いかけながら考える。

言うにしてもなんて言う？

【俺たちの写真撮られちゃったってさ】

【あることないこと書かれて嫌になっちゃうね。Aの言ってた通りだった】

【事務所に怒られてさ、なんかもうそういうのすらめんどくなっちゃった】

なんて軽々しく言えるわけもない。

きっと、っていうか絶対Aは怒るだろうし、俺と距離を取るだろうな。
まぁ今も距離があるっちゃあるんだけど。

でも記事が出たあとで、事後報告するよりは言ったほうがいいんだろうな。

移動車に揺られ、流れる景色を眺めながら、考えるけれど結局どうしたらいいかはわからなくて。

答えが出ないまま気付けば現場に辿りついていた。

「きょも、なんかあった？」

普段通り挨拶をしたつもりだったけれど、楽屋に入ってきた俺を見て樹が声をあげた。

「なんも？」

「なんか死にそうな顔してるけど」

「んー…昨日開封したカードの引きが最悪だった」

「…なんか心配して損した」

誤魔化す俺に気を使ってなのか、それとも本当にそう思ったのかはわからないけれど、樹は心底嫌そうな顔を浮かべた。

いつも通り過ごすメンバーの間をすり抜けて楽屋の端っこに。

椅子に腰かけて、スマホを手に取る。

Aとのメッセージ画面を開いたはいいけれど、どうやって切り出せばいいのか結局わからないまま。

んー、と見上げた天井の蛍光灯の灯りが眩しくて目の奥が痛んだ。

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